島根県内の大学1年の女子学生(当時19歳)が2009年、行方不明後に広島県の山中で遺体で見つかった事件で、関与が疑われている当時30代の男(交通事故で死亡)の関係先で見つかった女子学生の画像は複数枚あり、島根県益田市にあった男の自宅で撮影されていたことが捜査関係者への取材で分かった。女子学生の遺体発見直後、男は周囲に「とんでもないことをした」と関与をうかがわせる発言をしていたことも分かっており、島根・広島両県警の合同捜査本部は男と事件をつなぐ有力証拠とみている。
画像は今秋押収した男の知人のデジタルカメラに残され、行方不明後の女子学生の姿が写っていた。屋内で撮影されたとみられ、捜査本部が男の自宅を詳しく調べたところ、女子学生の画像の背景が自宅内と一致したという。男は山口県下関市に実家があったが、仕事のために益田市に移り住み、1人暮らしだった。
一方、捜査本部は男と女子学生との面識の有無を慎重に調べてきたが、携帯電話やメール、インターネットなどを通じたやり取りは一切なく、接点はなかった。連れ去られた場所や殺害現場は特定できていないという。
捜査関係者によると、女子学生が遺棄された広島県北広島町の臥龍(がりゅう)山周辺には防犯カメラなどがなく不審車の有無は不明だった。しかし男の実家や自宅、島根県内の女子学生宅周辺の道路沿いに設置された「Nシステム」(自動車ナンバー自動読み取り装置)などを分析したところ、いずれも男のものとみられる車が事件当時に通過していたという。【根岸愛実、東久保逸夫】