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悪夢ー安息の眠りー
夢の様な微睡みに包まれたある午後。
執事の持って来てくれた一輪の白い薔薇を眺める。「ーーーーー。」
このまま、薔薇の中に包まれて安息の眠りにつこうかと考えている少女。
全てを忘れた様にー黒く染まる前の自分ーを追い払って何も知らなかったー真っ白な自分ーを想いながら窓の縁に着地した小鳥の小さな鳴き声を耳にしながら目蓋が自然に降下した。
緑色の草のクッションで横になりながら太陽の光を浴びている少女。周りは健康そうな動物達で囲まれていて、木々は色とりどりの花や木の実が咲いている。上半身を起こして明るい回りを見た時にふと感じた違和感。冷たい感触。眼を見開いたら目の前には執事が一人。小鳥の鳴き声はそこには在る訳でもなく、冷酷な瞳にあったのは情の篭ったギラギラした視線。ー今の夢よりも私をーそう言う様に合わせてきた執事の視線に捕らわれた少女は逸らす事が出来なかった。それは、瞳で犯される様に、また少女の考えている事を見透かしているかの様に見ていた。それだけで現実はすぐに自分のもとへと戻ってきた。
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