色を探究する(’13)

主任講師: 佐藤 仁美

1. 色彩と言う多様な分野を包括する1つの概念を通し、物事を多方面から立体的に捉えられるような柔軟な視点でものを見、考える姿勢を身につける。
2. 本科目を学ぶことで、居心地や生きやすさの工夫などを試みるなど、日常生活の場にも発展させていく。
3. 本科目をきっかけに、広く学ぶ姿勢を身につけ、すべての学問は関係ないようで関係していることを知る。 検討中リストに追加

各回のテーマと放送内容

※テーマをクリックすると授業内容が表示されます。

第1回 色のいろいろ
「色」に関する日常的出来事から研究法まで、学生の興味をそそる映像を使いながら色のさまざまな要因について簡単に説明し、本科目の全体像をガイダンス的に構成する。色を捉える立体的視点・科目を通して流れる縦糸と横糸を概説していく。
担当講師: 佐藤 仁美 (放送大学准教授)
第2回 色の物理的・心理的体験
「色を見る」「色を感じる」ということについて概説し、視知覚としての色の見え方・感じ方・捉え方、見えているのに見えていない色、見えているのみ見えない色などを、心理学的視点から追究していきたい。
担当講師: 佐藤 仁美 (放送大学准教授) ゲスト : 西川 泰夫(上智大学名誉教授)
第3回 自然界と色Ⅰ ~色の起源・物体の色の原因~
オーロラは、どうして様々な色を放つのか、青空や夕焼けの色を考える。通常の意味での色は太陽光の発する光の波長からの違いに対するわれわれの感覚の応答の仕方であること、物質により特定の波長の光への応答が違ってくることの理由を、自然科学の立場で学ぶ。
担当講師: 濱田 嘉昭 (放送大学名誉教授) 佐藤 仁美 (放送大学准教授)
第4回 自然界と色Ⅱ ~動植物や鉱物の色とその働き~
動植物や鉱物は豊かな色彩に溢れている。それらの物質的な原因を探ると共に、特に生物においては色が生命活動においてどのような意味をもっているかを考える。
担当講師: 濱田 嘉昭 (放送大学名誉教授)  佐藤 仁美 (放送大学准教授)
第5回 色と言葉
色を言葉で捉えるとはどういうことかを、様々な色の呼び方や色を表現するときに使われる語を通して考察すると共に、日本語に最も古くからある色の名称の語源や色名の含む日本語の慣用句などから、色と言葉の関連について検討する。
担当講師: 大橋 理枝 (放送大学准教授) 佐藤 仁美 (放送大学准教授)
第6回 文化と色
色の変化は連続的であるため、色の区別は文化によって異なる。文化による色の区切り方の差や、英中における色の象徴性などを検討することを通じて、文化による色の捉え方の違いを考察する。
担当講師: 大橋 理枝 (放送大学准教授) 佐藤 仁美 (放送大学准教授) ゲスト : 本多 俊和(放送大学客員教授)
第7回 社会の中の色 ~ジェンダーの視点を中心に~
我々が生まれてから当たり前のように、男子の色・女子の色が使い分けられてきている。その区分は、どこから生まれたのか? 社会文化的色意識について探る。
担当講師: 佐藤 仁美 (放送大学准教授) ゲスト : 宮本 みち子(放送大学副学長)
第8回 生活の中の色
日常生活の中には、メイク・服装・食品など、さまざまな色が存在する。我々がふれている日常の色について、主に食にかかわる色にアプローチする。
担当講師: 佐藤 仁美 (放送大学准教授) ゲスト : 大谷 貴美子(京都府立大学教授)
第9回 日本の伝統色 ~漆器の色を中心に~
漆塗りは日本の伝統工芸の代表的なものである。日本の色を漆器から俯瞰し、時の移ろいとともに変化する漆の色を味わう。
担当講師: 佐藤 仁美 (放送大学准教授) ゲスト : 宮崎 清(千葉大学名誉教授)
第10回 古典文学に見る色
色について語られた文学作品、わが国最古のものは、万葉集にあるといわれている。また、源氏物語・枕草子など、色を象徴的に用いた作品は数ある。襲色目をもとに、古典文学の中に表現された色について考察する。
担当講師: 佐藤 仁美 (放送大学准教授) 大橋 理枝 (放送大学准教授)
第11回 黒い聖母
ヨーロッパ・キリスト教美術における色の意味について考察する。伝統的に、聖母マリアに相応しい色は、純潔を意味する白である。しかし、ヨーロッパには、黒い聖母像も存在している。なぜ黒い聖母が生み出されたのか、ということを明らかにして、ヨーロッパ文化の戦略的ダイナミズムを明らかにする。
担当講師: 青山 昌文 (放送大学教授)
第12回 『ベアトゥス黙示録注解』写本挿絵
芸術についての近代的偏見について述べ、『ベアトゥス黙示録注解』写本挿絵のもっている真の芸術的価値を明らかにする。『ヨハネ黙示録』のラテン語に基づいて、赤の意味を明らかにして、『ベアトゥス黙示録注解』の特にファクンドゥス写本における、素晴らしい赤の意味などについて考察する。
担当講師: 青山 昌文 (放送大学教授)
第13回 環境の中の色彩Ⅰ (建築学的視点)
建築における基本原理と色彩の機能側面について概説する。さらに建築の色彩の外部環境に与える影響、すなわち景観およびデザインエレメントとしての色彩の重要性等について利用する側、見る側、つくる側からの視点を通して考察する。
担当講師: 仙田 満 (東京工業大学名誉教授) ゲスト : 田邉 学(武蔵野美術大学講師)
第14回 環境の中の色彩Ⅱ (都市環境的視点)
都市を構成する色について概説する。美しい都市はその固有の色彩を有しているが、現代都市の基盤の構成材料が多様化され、化学塗料等の開発によって土地固有の色を失いつつある。景観法も整備され、都市の色彩を新たに調整する必要性について考察する。
担当講師: 仙田 満 (東京工業大学名誉教授) ゲスト : 田邉 学(武蔵野美術大学講師)
第15回 色と生きる
さまざまな視点から俯瞰した色を通して、我々が普段経験している色について再考する。さらには、色を用いたセラピーなども含み、色に関する心地よさを探求する。
担当講師: 佐藤 仁美 (放送大学准教授) 濱田 嘉昭 (放送大学名誉教授) 大橋 理枝 (放送大学准教授) 青山 昌文 (放送大学教授) 仙田 満 (東京工業大学名誉教授)

放送メディア:

テレビ

放送時間:


2016年度 [第2学期] (金曜)
14時30分〜15時15分

単位認定試験 試験日・時限:

2016年度 [第2学期]
2017年1月22日 (日曜)
6時限 (15時35分~16時25分)

開設年度:

2013年度

科目区分:

総合科目

科目コード:

1847430

単位数:

2単位
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