これは「転職(その2) Advent Calendar 2016」19つ目のポエムです。既に日付は過ぎていますが、今年通算2度目の転職をしたため、ちょうどよいので空いていることもあり埋めてみるかと思いました。
自分の経験から、転職で考えたことや実行したことを適当にまとめました。転職は環境やタイミングに強く依存するため所謂"正攻法"は無いと思いますが、ここから何か得られるものがあれば嬉しいです
経歴の概要
- 社会人11年目(2016年現在)
- 変遷
- メーカー系SE
- 外資系製品エンジニア
- スタートアップでモバイルエンジニア
今ココ
- 首都圏在住在勤
TL;DR
- 転職は
- 「次にしたいことや、欲しい環境」ドリブンで動いた
- 動機を裏付ける実績(ブキ)は必要
- 今の会社でエンジニア募集してます(小声)
以下ポエム
1社目
概要
2006年に某メーカー系SIerの親会社に入社し、約5年金融システム系のプロジェクト(以下PJ)メインに携わってきました。Office系ソフトと仲良くなる時間がそれなりにありましたが、割と(親会社の割に)普通にJavaやC#を使ってPJのPoCを実装する機会などありました。
また、入社2年目からは母校のリクルーターも兼任しており、就活生に対して会社の業務説明や就活相談にも乗っていました。
転職の動機
簡単にまとめると2点です。
- 自分達でサービスを開発/運用/提供している環境で力を試してみたくなった
- さらに言えば外資系で
以下はその理由(なので、飛ばしてもOK)。
SIの立場でクライアントのPJに参加していると、売上は基本人月換算のため、作業の効率化自体へのモチベーションは組織として生まれにくいものとなり、また新しい技術よりも枯れた技術が好まれるのは必然です。私個人としては人員や進捗の管理よりも実装そのものに対する意欲が勝っており、定期的な上司との面談でもそれを伝えていましたが、会社の立場の関係上難しいことが多く、いつからか、「自分達でサービスを開発、運用、提供している環境で力を試してみたい」と思うようになりました。
また、数ヶ月程、当時技術提携していた米国の会社1で長期出張の形で勤務する機会にも恵まれ、当時の(自分の知っている範囲内での)勤務スタイルとは大きく違うもの2を体験したため、「さらに言えば外資系がいいな」という欲も持つようになりました。
転職活動
また先にポイントをまとめます。
- 現職は次が決まるまで辞めない
- エージェントをふんだんに活かす
- 自分のブキはできるだけ磨く
現職を辞めなければ転職活動は何も失わないので、「いいとこ見つかったら動くか」といつまでも合コンし続けるパターン長期戦覚悟のスタンスで挑みました3。転職サービスは外資系エンジニアに強そうなところをいくつか登録/利用しましたが、結果的には(2度とも)LinkedInでコンタクトを取ってきたエージェント経由でした。今ではWantedlyなど他に色々ありますが、エージェントを利用するメリットとして、
- 自分の知見を広げてくれる
- 面倒な交渉事は全てお任せできる
が挙げられます。特に外資系だと大企業(eg. MS, Google, Oracle等)は大体社名くらいは把握していても、中小規模のものになるともう自分から認知するのは難しいため、「エージェントから紹介される -> 調べる -> 面接を受ける」のサイクルを繰り返すことで様々な企業を知ることができたのは良い知見になりました。
また、面接通過時や年収、入社時期の交渉などは要件をエージェントに伝えておけばあとはエージェントがよしなにやってくれる4ので、あまりその点の苦労もありませんでした。
そして、スキルについては"SIerでプロジェクト管理がメイン"だった当時はどう考えても己のそれに不安があったため、Project Euler等で基本的なアルゴリズムや設計は人並みにできるよう努めていました。おそらく今の時代だとGithub等の実績が必要そうな気がします。
英語について
「外資系希望(英語がペラペラとは言っていない)」という状況だったため4、ガチの外資系はまだ厳しく、仕事は基本日本語ベースで進められるレベルの環境を探しました。
結果
少し時間はかかりましたが、下記の条件を満たす企業からオファーレターを頂き快諾しました。
- ベイエリアにHQのある外資系企業
- 当時、日本支社は確か150人くらい
- 当時、日本支社は確か150人くらい
- ポジションは自社製品開発のエンジニア
- 言語はJavaが多め
- もちろん私服でOK
- なので、スーツをかなり捨てた
- 年収もそこそこup
また、転職前の有給消化期間ではモロッコを10日程一人旅してきました。これは「この機会じゃないとなかなか行けなさそう」という動機でした。有給消化はサラリーマン人生の中で貴重な長期休暇なので、ここぞとばかりに有効に活用することがQOLの向上に貢献する気がします5。
(初めての)転職から学んだこと
- 転職手続きは案外あっさりである
- 被雇用者の賃金、労務環境は会社の規模ではなく業界やビジネスモデルに強く依存する
-
大企業 != 正解
は今は普通かもしれないが、中の人だと(それを理解するのは)難しい
-
- 環境を替えるだけでモチベーションも良くなる(つまり逆もあり得る)
- 「会社の内容」ではなく「そこで自分がやりたいこと」にこだわって正解
- 超有名企業から転職したので知名度に差がありすぎて親や親戚に説明する時に一苦労
- といっても、「会社名を知っているだけで中の何を解っているのか」という気持ちはある
- といっても、「会社名を知っているだけで中の何を解っているのか」という気持ちはある
2社目
入ってみて体感した、良かった点をまとめます。
- 自分たちで新機能を計画、実装していくのはやはり楽しい
- 勉強に対するモチベーションも上がった
- 自分のスキルアップが直接的に仕事に活かせる
- 規模は格段に小さくなったため、自己の裁量でできることが増えた
- 責任が大きくなったことの裏返しでもある
- 勤務時間についてはフレックスどころか完全自由だった
- 通勤ラッシュ #とは
- 通勤ラッシュ #とは
その逆、入ってみて新たに知った辛みは、
- 人が少ない == なかなか替わりがいない
- 米国本社のさじ加減でなんでも替わる
これ↑について説明します。外資系と言ってもいろいろあって日本である程度の裁量を持ってドライブできる会社もあれば、そうでなく「本社の一部分」として機能しているところもあります。2社目は自分が勤務している期間で買収されたり本社のCEOが何度も替わったりで、まさに前者から後者へ移行した形になり、直近では直属の上司も日本支社の日本人ではなく米国本社の外国人になり毎週早朝に1on1で電話ミーティングをするような関係になっていました。ただ、この変化自体は
- 英語が鍛えられる(というよりやるしかない状況)
- もしかしたらベイエリア転勤あるかも
みたいな案外エンジニア的には言うほど悪くないかも?というものでした6が、後者については別に確約された話でもなく、逆に最悪のパターンとして「日本のEngineering resourceはもうcloseで 」みたいな話がいつ降ってきてもおかしくない状況でした (注: 今の状況は判りません)。
なので、「外資系にもいろいろあるんだな」を身をもって体験出来たのは収穫でした。
転職の動機とその活動(5年ぶり2度目)
2社目で個人的に得た教訓として
- 外資系のつらみ(上記)も見えた
- サーバーサイド少し飽きてきた
というものがあります。2点目に関しては、次の行き先を考える際、同じようなJob descriptionsでは本質的なところは変わらず面白みがあまり無いだろうと考えていました。
IT業界的にはここ数年のトレンドとして「止まらないモバイル化の流れ」があり、私個人も興味を持っていたためSwiftが発表されたタイミングでiOSアプリの開発を(週末に)していました。「UIViewとは何ぞや」から始まった開発でしたがなんとか無事リリースまで漕ぎ着け、またそのアプリも割と良い評価を得られたりしたので、これをネタにモバイルエンジニアになれないかなと企んでいました。
結果
また長期戦も辞さないスタンスでエージェントとコンタクトを取り始めましたが、今回は割と早く決まることができました。もちろん先方の事情と良いタイミングでマッチしたというのが大きいですが、
- 目に見える実績(個人名でリリース済のiOSアプリ)
があったのが大きかったと思います。会社の概要としては今までの自分の要望を総括できる形で、
- 本社が日本にある会社
- いわゆるスタートアップ
- 全社員30名未満(今現在)
- 1社目の1/1000くらいの規模に..
- モバイルエンジニアとして
- 英語も引き続き求められる環境で
- 年収も前職よりupして
働いています。国内の会社なのに英語というのは珍しい方だと思いますが、そもそも日本人のエンジニアが現在私しか居ないため必然的にTechnicalなコミュニケーションは全て英語で行われています。
面接も全て英語で行われましたが、前職の強制1on1等のお陰でそれなりにキャッチボールができる程度には鍛えられていたようです7。
また、有給消化期間は英語を少しでも鍛える意味でニューヨーク に一人旅してきました8。
3社目(今)
現在入社して約9ヶ月になりますが、概ね入社前の想定通りで満足して働けています。前職以上に人が少ないので1人あたりの負荷がまだまだ高いという状況ですが、採用活動はバンバン継続中なのでこれはいずれ改善されるでしょう。
今までは国内の大企業 -> 外資の大企業だったためスタートアップは初めてであり、ビジネスが創られていく過程に携わる事ができるのは新しい体験で非常に良かった(現在進行中)と思います。
肝心のモバイル開発ですがiOSはSwift3(に現在マイグレーション中)、AndroidはKotlinも取り入れた環境で、最新のトレンドをこれからもキャッチアップしていける姿勢なので技術的な面でも特に不満はありません。
まとめ
少し重複になりますが、自分としては
- 現職は次が決まるまで辞めない
- 自分のブキを見える形で磨く
- モバイルアプリならリリース、他ならGithub等
- 今までとは違うところ(環境や役割など)を積極的に選ぶ
- (自分は大企業 -> 外資(の大企業) -> 国内スタートアップ)
- 外国寄りの環境を求める
- 日本人が無意識に持ちがちな「美化される長時間労働」や「同調圧力」からの解放
といったあたりをKey pointsとして動き、今のところそれなりに上手くいっています。
ということで、現在の会社ではエンジニアを大募集していますので、これからのキャリアのために英語も伸ばしたいと考えている欲張りエンジニアは転職先の候補に一考いただけたら幸いです
来年は
業務は問題ないので、上司が日本人のエンジニアも欲しいと言っているのでそろそろ勉強会やコミュニティ活動等での露出を増やしていった方が良いのだろうかと少し悩んでいます910。
最後に
-
米国オレゴン州 ↩
-
私服は当然として、ランチは車でハンバーガー
を食べに行ったり、金曜は15時にはみんなあがったり.. ↩
-
そのためか、なんだかんだで1年近く活動はしていたように思います ↩
-
入社成功段階で初めてエージェントの報酬が発生するので、とても頑張ってくれる(はず) ↩
-
余談ですがモロッコの景観ではシャウエンが有名ですが、大西洋沿岸のエッサウィラと、こんもりとした丘に街が出来ているムーレイ・イドリスが案外良かったです ↩
-
カレンダーもアメリカと日本のいいとこ取りみたいな感じで、年末はクリスマス前からもう休みでした ↩
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ただし前職ではインド系が割と多かったのだけど、今は完全に欧米系というアクセントの違いがある ↩
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まだ東海岸に行ったことが無かったため。4月上旬なのに寒かった ↩
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来年のTry!SwiftとDroidKaigiは経費で参加します ↩
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ただ、転職する際のブキという立場から言うと個人的には勉強会でのアクティビティを増やすよりアプリのリリースやGithubで実績を積む方が応用も効くし間違いがなさそう、という思いは(自分の経験から)あります。 ↩
-
Wii U持ってない ↩