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    <県立大生殺害 書類送検>同じ不幸起こすまい

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    • 多くの報道陣が詰めかけた合同捜査本部の記者会見(20日午前、浜田署で)=野本裕人撮影
      多くの報道陣が詰めかけた合同捜査本部の記者会見(20日午前、浜田署で)=野本裕人撮影
     ◇「捜査7年無駄はない」
     浜田市の県立大1年平岡都さん(当時19歳)が2009年11月、広島県北広島町の臥龍がりゅう山で遺体で見つかった事件は20日、一つの区切りを迎えた。だが、殺人容疑などで書類送検された益田市の会社員矢野富栄よしはる容疑者(当時33歳)は事件直後に事故死し、この日の合同捜査本部の記者会見でも事件の背景などは明確にならなかった。「釈然としない結末」「事件の教訓を生かさなければ」。関係者は様々な反応を見せた。
     ■合同捜査本部
     島根、広島両県警の合同捜査本部が設置されている浜田署で20日に開かれた記者会見。県警の杉原知行捜査1課長は、素行の悪い人物や不審車両の情報で容疑が強まり、押収したデジタルカメラなどから、亡くなった後の平岡さんや包丁の画像が見つかったことが決め手になったとし、「捜査は一つひとつのパーツを糸でつなぐような作業。デジカメなどの中にあった画像が太い糸になった」と述べた。
     一方、矢野容疑者が捜査対象として浮上した時期などの質問に対しては、「捜査内容にかかわる」などと具体的な説明を避けた。
     7年の歳月がかかったことについても質問が相次いだが、杉原課長は「(容疑者は)結果として益田にいたが、足元から固めないと(捜査を)広げられない。早かったか、遅かったかという評価をいただくのはおかしい」と反論。「例えば1万足の靴があれば、1万足を調べるのが捜査。当時積み上げたものに、無駄なものは一切ないと思っている」と強調した。
     ■県立大
     「前途ある学生の命を無残に奪ったことへの憤りは、生きていようと死んでいようと変わらない。ただ、最も大事な命を守れなかったことが悔やまれる」。浜田市の県立大での記者会見では、本田雄一学長が、時折涙を浮かべながら語った。
     本田学長は8月に香川県の平岡さんの実家を訪ね、安全確保への取り組みなどを報告したことを明かし、「つぐないの思いを抱いて今日まで来た」と語った。
     平岡さんが果たせなかった、海外で活躍する夢を後輩たちに受け継いでもらおうと、国際交流に力を注いできた。「いかに私が頑張っても平岡さんはよみがえらないけれど、後輩諸君に平岡さんの思いを実現してほしい」と求めた。
     事件は本田学長が就任した半年後の2009年10月に発生。8年間の学長任期は来年3月に終わる。本田学長は「迷宮入りになるのではとの思いもよぎったが、急転直下の解決に何か因縁めいたものを感じる」と語り、「同じような不幸を、このキャンパスで二度と起こすことがあってはならない」と言葉を強めた。
     学生たちの受け止め方は様々だ。4年倉松実聖さん(22)は「容疑者は特定されたけど、解決と言えるのだろうか。わからないことが多く、すっきりしない」と言い、2年鈴木祥太さん(20)は「夜の大学周辺はまだ暗い。街灯を増やしてほしい」と一層の安全対策を求めた。
    • 臥龍山の山頂に通じる道はこの日、雪が積もっていた(広島県北広島町で)
      臥龍山の山頂に通じる道はこの日、雪が積もっていた(広島県北広島町で)
     ■自宅周辺
     当時、矢野容疑者が暮らしていた益田市の借家は、今も国道191号に近い住宅や事業所が並ぶ地域にある。木造2階建てで、現在は空き家になっており、周辺で矢野容疑者を覚えている人もほとんどいない。今秋にはここで捜査本部が捜索を行った。
     近くに住むパート従業員の女性(65)は「犬の散歩で近くを通ったことがあるが、今になってこんなことがあったと分かるなんて」と言い、別の女性(74)は「事件の容疑者が近くに住んでいたことを知って、在宅時も家に鍵をかけるようになった」と明かした。
     ■山口・福岡
     矢野容疑者は山口県下関市出身で、関門海峡を挟んだ北九州市の高校で学んだ。
     矢野容疑者がかつて住んでいた下関市の実家近く。地元自治会長の有賀清文さん(81)は書類送検された今も、矢野容疑者と事件が結びつかないといい、「小中学生の頃はおとなしく、まじめで優しかったのに」と振り返る。
     この日の捜査本部の記者会見では、事件の背景などの詳しい説明はなく、有賀さんは「矢野容疑者の行動がどう変わっていったのかを明らかにしてほしかった」と語った。
     矢野容疑者が通っていた北九州市内の高校で、同じ学年だった女性は「あんな事件を起こすような人だとは思えず、今も信じられない。事件に関わっていたのなら、きちんと償ってほしかった」と話した。
     ◇遺族の「なぜ」応えられず…浜田署元副署長
     「犯行時に何を考え、どのように凶行に及んだのか。容疑者が死んでしまった今となっては、聞くことができない。『娘が、なぜ』という遺族の思いに応えられないことが残念だ」
     事件発生当時、浜田署副署長だった坂根恭平さん(62)は20日、読売新聞の取材に対して心境を語った。
     「自分にとって後にも先にも、あれ以上の事件はなかった」。捜査には他県の機動隊員らも含め、延べ30万人以上を動員。「山をはいずり回って大規模な捜索をした当時も、そして今の捜査員も必死の思いだった」と語る。在任中は解決に至らないことに無念さを感じ、2013年の退職後も、女性が狙われる事件が起きるたび、浜田の事件との関連を考えたという。
     7年の歳月がかかったことについて、坂根さんは「容疑者に至るまでの材料が少ない事件。平岡さんがアルバイト先を出た後の足取りの情報がわからず、膨大なデータを集めてあらゆる方向から検討せざるを得なかった」と説明。「できることを丹念にやった結果、よくたどり着いてくれた」と、捜査員たちをねぎらった。
    2016年12月21日 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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