トランプ次期大統領「核能力の強化 拡大を」と投稿

トランプ次期大統領「核能力の強化 拡大を」と投稿
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アメリカのトランプ次期大統領は、核戦力について「世界が核に対する理性を取り戻すまで大幅に強化、拡大しなければならない」とツイッターに投稿し、オバマ大統領のもとで核軍縮を目指してきたアメリカの核政策が今後、変わるのか、大きな関心が集まっています。
アメリカのトランプ次期大統領は22日、核戦力について「世界が核に対する理性を取り戻すまでアメリカは核能力を大幅に強化、拡大しなければならない」とツイッターに投稿しました。

これについて、トランプ氏の報道担当者はメディアの取材に対して「力による平和を追求するため抑止力の近代化の必要性を強調したものだ」と答え、核抑止力を重視する姿勢を示す狙いがあったとしています。

一方、この投稿に先立って、ロシアのプーチン大統領は、軍の幹部を前に核兵器の近代化の重要性を強調していて、アメリカメディアは、選挙期間中、アメリカの核戦力の近代化がロシアに遅れをとっていると主張していたトランプ氏がこの発言に反応したのではないかという見方を伝えています。

トランプ氏の今回の発言をめぐっては、「核兵器なき世界」を掲げるオバマ大統領のもとで核軍縮を目指してきたアメリカの核政策が今後、変わるのか、大きな関心が集まっています。

「本当に残念で悔しい」

アメリカのトランプ次期大統領が「核能力を大幅に強化、拡大しなければならない」とツイッターに投稿したことについて、広島で被爆し、日本被団協=日本原水爆被害者団体協議会の代表理事を務める箕牧智之さんは、NHKの取材に対し、「核兵器の近代化を目指すような今回の投稿は、本当に残念で悔しい」と述べました。

そのうえで、「アメリカとロシアという核兵器を持つ2つの大国が核兵器を近代化するような政策をとれば、ほかの核保有国も同じような政策をとるようになるだろう。そうなれば世界はどうなってしまうのかと不安でいっぱいだ。トランプ氏には、どうか核兵器に頼らない平和の構築を考えてもらいたい」と話していました。