高浜原発の(右から)1号機、2号機=福井県高浜町で2016年6月16日、西本勝撮影
関西電力は22日、高浜原発1、2号機(福井県高浜町)がテロ攻撃などを受けた際、原子炉の遠隔制御などを可能にする「特定重大事故等対処施設」について、設置費用が970億円に上るとの見通しを示した。既に試算済みの安全対策工事費用の約2000億円と合わせれば、2基で約3000億円がかかることになる。
原子力規制委員会の基準では、テロ対策工事は原発本体の安全対策工事の計画を認可してから5年以内に完了する必要がある。高浜1、2号機では2021年6月が期限だ。
関電が長期的に再稼働を目指す原発9基全体では、現段階で安全対策やテロ対策の費用は計8000億円超に上る。まだ試算していない費用もあるため、さらに増える見通しだ。【宇都宮裕一】