小銃部品の紛失が報じられたことを受け、全隊員に携帯電話の通話履歴を任意で提出するよう求めていた航空自衛隊小松基地(石川県小松市)は22日、「不適切だった」として要求を撤回した。杉山良行航空幕僚長から21日に「手法として誤解を与えかねない」と撤回を指導されたという。
基地によると、今月7日の訓練で64式小銃の部品がなくなり、地元紙が9日に報道した。内部からの情報提供に基づく報道の可能性があるとして、亀岡弘基地司令(第6航空団司令)が同日、全隊員約1800人に履歴提出を求めた。
第6航空団の安藤浩監理部長(2等空佐)は22日に記者会見し、「プライバシー侵害への無用な誤解、不安を国民や隊員に与えた」と話し、提出者はいなかったと説明した。基地側は事前に上級部隊に相談し、「任意なら問題ない」との認識が示されたという。亀岡司令は「指摘を真摯(しんし)に受け止める」とコメントした。【中津川甫】