
「苔寺(こけでら)」の名前は、苔のじゅうたんを敷きつめたような景観から、そう呼ばれています。
京都でも人気の庭の1つで、「古都京都の文化財」として世界遺産に登録されており、さらに、ミシュラングリーンガイドでも三ツ星に選ばれています。そんな苔寺の見ごろや魅力をご紹介していきます。
苔寺ってどんなお寺?
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苔寺は一般の通称で、正式名は西芳寺(さいほうじ)といいます。京都市の西の端にある臨済宗の寺院で、別の回にご紹介した天龍寺の塔頭寺院(たっちゅうじいん)の一つです。
ご本尊は阿弥陀如来像(あみだにょらいぞう)、開山(初代住職)は行基(ぎょうき)と伝えられ、お寺を更に栄えさせたのは天龍寺の作庭などで有名な夢窓疎石(むそうそせき)といわれています。
有名人がいっぱい関わった苔寺
http://matome.naver.jp/odai/2140376292081917801
歴史はかなり古く、現在の場所に聖徳太子の別荘があり、太子作の阿弥陀如来像が祀られていたのが始まりです。奈良時代になり、行基が別荘から寺へと改めたと伝えられています。当初は法相宗(ほうそうしゅう)のお寺で「西方寺」と称し、近畿地方でも有名なお寺の一つでした。
あの有名な弘法大師、空海もこのお寺の池で放生会(捕まえた魚や鳥を野に放し、殺生を戒める宗教儀式)を行ったといわれています。
鎌倉時代に入ると、浄土宗の始祖「法然上人(ほうねんしょうにん)」によって浄土宗に改宗され、その後に浄土真宗の始祖「親鸞上人(しんらんしょうにん)」も滞在しています。
室町時代に、入ると作庭の名手でもあった「夢窓疎石」を招いて禅寺として再興されました。この時に現在の「西芳寺」と改められました。さらに室町幕府3代将軍の足利義満が訪れ、西芳寺を模して創建したのが鹿苑寺(金閣寺)であります。また、室町幕府第8代将軍の足利義政も西芳寺と鹿苑寺を模して創建したのが慈照寺(銀閣寺)といわれています。
安土桃山時代に入ると戦争により焼失してしまいますが、今度は織田信長の命令で再建されました。
江戸時代には寛永年間と元禄年間の2度にわたって洪水に見舞われ西芳寺は荒れてしまいました。でも、すぐそばに川が流れる谷間という湿度の多い地理的要因で、枯山水であった庭園が苔でおおわれ、この頃から「苔寺」と呼ばれるようになりました。
幕末の時代には公家で政治家でもあった「岩倉具視(いわくらともみ)」が一時住んでいた時代もあったそうです。
近年ではアップルの創業者であるスティーブ・ジョブズが、お忍びで家族とともにこの西芳寺をよく訪れていたといわれています。
どうですか?聖徳太子から始まり、空海から室町幕府の将軍たち、織田信長からスティーブ・ジョブズまでさまざまな歴史の偉人たちが関わってきたお寺がこの「苔寺」なのです!
苔寺の見ごろはいつ?
http://blog.goo.ne.jp/eh2gt72w/e/42b7db7607cf4994bc44e3ee45bc8acb
http://find-travel.jp/article/17376
苔寺の庭は、優れた作庭家としても有名な「夢窓疎石」が手がけた庭で、上下二段にわかれており、上段は枯山水式、下段は黄金池を中心にした廻遊式の庭園となっています。この庭園を埋め尽くす苔の種類は120種を超えるといいます。苔ってそんなに種類があるのですね~知りませんでした。
一年を通して、いつでも綺麗な苔のじゅうたんを楽しむことができますが、一年を通してやはり一番美しく見られるのは梅雨のシーズンがもっともよいでしょう。 雨が降ると苔もよく成長し、苔に雨のしずくがついて輝いている光景は本当に美しいものです。
もう一つは秋も見逃せない季節の一つでしょう。秋には、真っ赤に染まった紅葉と苔のグリーンの絶妙なコントラストが楽しめます。あざやかな緑のじゅうたんが赤い落ち葉によって染め直されていくさまはまさに見ものでしょう!
http://goryugo.com/20121007/saihouji/
http://matome.naver.jp/odai/2136688191148442901/2136696018263222203
最後に
苔燃える庭園を見ながら、はるか昔を想いこの「西芳寺」に関わってきたさまざまな偉人たちに思いをはせながら、ゆっくりと散策してみませんか?それでは。
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