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【島根女子大生殺害】
捜査難航からの急転直下の背景 性犯罪“つぶしの捜査”範囲拡大で男浮上…防犯カメラと被害者画像で「心証」強める
同市は平岡さんが住んでいた島根県浜田市に隣接している。男が使っていたとみられる乗用車が、遺体発見前後に現場周辺を走行していたことも防犯カメラの映像などから判明し、捜査員の間で容疑者との「心証」は強まっていった。
ただ、男は平岡さんの遺体発見2日後、山口県内の中国自動車道で事故死していた。本人から直接、事情を聴くことはできない。捜査本部は慎重に周辺捜査を継続。男が知人に「大変なことをした」と話していたことを突き止め、男の遺品から、行方不明となった後の平岡さんを写した画像データを発見した。
犯人性を示す物証も入手し、秋ごろから裏付け作業を加速。捜査員が益田市の居住先付近のガソリンスタンドを訪ね、男の給油履歴などを調べた。
スタンド関係者は「男の写真を手に『この人を知らないか』と聞かれた。給油履歴はあったようだが、従業員はだれも顔に覚えはなかった。7年も経過して事件が動くとは…」と驚いた様子で振り返る。
さらに男の実家周辺でも、遺留品のポリ袋が出回っていなかったかを聴いて回った。
捜査本部は男を容疑者と断定。今月20日、殺人容疑などで容疑者死亡のまま書類送検する。