2006年に公開された大ヒット映画、プラダを着た悪魔。
ぼくはこの映画に、いち服好きとして興味を持って見ました。
ファッション業界の実情を垣間見ることができるかも・・・と期待して見たのです。
しかし結果として、最後まで見終わったときにこの期待は良くも悪くも裏切られていました。
この映画が興行収入1億円超えの大ヒットとなった理由は、世界中にそれだけ洋服好きがいるからじゃない。
真の見どころは、主人公であるアンディの目的と手段を履き違えない真っ直ぐな生き方にあったんです。
映画「プラダを着た悪魔」のあらすじ
「将来はジャーナリストになる」
その夢を胸に、一流大学を卒業した主人公のアンディは就職活動を行います。
立派なジャーナリストになるには、やはり多くの経験を積むことがいちばん。
そう考えたアンディは激務で有名なファッション雑誌「RUNWAY」を出版する同社への入社を決めました。
世界的に有名なファッション雑誌の編集長であるミランダは超有名人。
彼女のアシスタントというポジションは、実に何百万人もの人々が憧れを抱くキラキラしたものでした。
これまでファッションに興味がなかったにも関わらず、ミランダのアシスタントとしての採用が決定したアンディ。
プラダの洋服を羽織り、アシスタントのアンディに悪魔のようなむちゃぶりから厳しすぎる仕事を突きつけるミランダ。
まさに「プラダを着た悪魔」なミランダのもとで、自分の夢を見失わないよう必死に働く1人の女性の姿が描かれています。
洋服は着る人に自信をもたらす魔法の布
主人公であるアンディは、これまで全くといっても過言ではないくらいファッションに興味を持ってこなかった女性。
それでもRUNWAY社に採用された理由は、彼女の素晴らしい学歴にありました。
基本的に雑誌のファンを採用するそうですが、そうして雇った歴代のアシスタントは仕事ができない人ばかり。
(仕事ができるできないに関わらず、ミランダの無茶ぶりはかなりのものですが・・・)
その状況を断ち切ろうとミランダは高学歴なアンディを採用したんだとか。
ファッションに興味はないものの、将来的にジャーナリストになるための近道としてRUNWAY社へ入社したアンディ。
しかし周りのおしゃれな社員たちに服装をバカにされ、必死に仕事をこなそうと努力をするも空振りばかり。
仕事で結果を残せず、帰宅すれば彼氏のネイトに愚痴を吐いてばかりの日々。
そうして徐々に自信を失っていくアンディを救ったのは、紛れもなくファッションでした。
同社でスタイリストを務めるナイジェルのプロデュースで、初めて美しい洋服を身にまとったアンディ。
洋服を着替え、メイクを変えたことで誰もが振り向くほどの美人に変身します。
そこからの彼女はもう、今までとは別人になりました。
ミランダの無茶な振りにも見事に応え、バリバリと仕事をこなす素敵な女性へと変わっていったのです。
個人的な話ですが、ぼくも自分にはあまり自信がありません。
けれど大好きな洋服を身にまとっているときだけは、普段よりも少しだけ強くなれた気がするんですよね。
アンディが服装と共に変わっていく姿を見て、洋服は着る人に自信を与えてくれる魔法の布なんだと再認識しました。
今、日本で売れているファッション雑誌はその本質的な部分を勘違いしています。
おしゃれをするという方法は、異性からモテるために直接効果を発揮するものではないということ。
おしゃれして自分を着飾った結果として生まれた意識の変化が、魅力的な人間を作っているんだなと感じたのです。
大抵の人は弱いから、朱に交われば赤くなる
人間が変わるための方法なんて、そういくつもありません。
本当に変わりたいのならそこで意気込むよりも、周りの環境を変えた方が手っ取り早いんですよ。
ぼくはそれをこのブログで何度も書いているし、自身の実体験からもそう言えます。
ただ前提として頭の片隅に入れておいてほしいのは、人間は自分が思っているより何倍も弱い生き物だということ。
人間は非常に意志が弱い生き物です。
それゆえ自分の意志とは無関係に、環境さえ変えれば簡単に今の自分にはおさらばして変わることができるんですよ。
自分よりすごい人がいる環境に身を置けば、自然と自分にもその思考回路が身に付いて同じレベルまで到達できる。
逆になまけてばかりの人たちと一緒に過ごしていれば、頑張ることを忘れてどんどん堕落してしまいます。
朱に交われば赤くなる。
アンディはこうして一流のファッションセンスを身に付け、圧倒的なスピードでハイブランドが似合う女性となりました。
余談ですが、あなたの身近にはハイブランドの洋服で身を固めたはいいものの、人として中身が空っぽな人っていませんか?
そんな人は見た目がおしゃれでも人としてダサいですが、アンディはそれを両立した心身ともに一流の女性になったのです。
「ファッションに魂を売った女」と見られてしまう
アンディはミランダのアシスタントとして、以前からいた第一アシスタントよりもバリバリと仕事をこなすまでに。
ミランダのむちゃぶりは、彼女の勤務時間外であろうが関係ありません。
彼女は友達といるときも、父親といるときもミランダの要求に耐え抜いてきました。
それはもちろん将来に見据えたジャーナリストの夢のため。
この激務を乗り越え、自分の糧としてその先へと進むためでした。
しかし彼女の夢へ一直線へ向かう姿勢は、友達や彼氏にはそう見えていなかったよう。
周りの親しい仲間には、そんな彼女の姿が「ファッションに魂を売った女」にしか見えていなかったんです。
「仕事と私、どっちが大事なの?」
女性の口から発せられることの多い言葉ですが、この映画ではこれがアンディの彼氏であるネイトの口から出てきそうでした。
目的と手段を履き違えない生き方がカッコイイ
結末をお話すると、最後にアンディはRUNWAYを退社しています。
ミランダは自分が前へ進むためであれば、人を犠牲にもできる心を持っている。
一方でアンディはそのような考え方を持ち合わせていないため、ここで退社することを決意しました。
これは人生においてどこに重きを置き、何を大切にするか・・・考え方と生き方の違いでしかありません。
アンディの夢は最初から最後まで変わらず、ジャーナリストになること。
それを目指してRUNWAYを退社する姿に、ぼくはアンディの目的と手段を区別しながら前へ進む強さを感じました。
先ほども書いたように、人間の意志なんてとても弱いもの。
アンディのように、何百万人もの人々が憧れる場所で仕事していれば、そこに優越感や居心地の良さを感じてもおかしくありません。
並大抵の人であれば、一定の成功を納めたときに「ずっとこの場所にいよう」心地良さを感じるでしょう。
しかしアンディはそうじゃなかった。
本当の目的はジャーナリストになることで、RUNWAYは最初から最後まで手段でしかなかったんです。
RUNWAYで一定のポジションを獲得しても、それは本当の夢を手にするための過程。
本当の夢へ向かうためにRUNWAYを退社。後日ジャーナリストになるため他の会社にて面接を受けるのでした。
この、目的と手段を履き違えない人生の生き方が本当にカッコイイ。
プラダを着た悪魔が大ヒット映画となった理由は、きっとここに社会で働く多くの人からの共感が集まったからでしょう。
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