長嶋さん「こんなに早く…」、王さん「強力な巨人投手陣の中で頑張った」…加藤初さん悼む

　巨人などで投手として活躍した加藤初（かとう・はじめ）氏が１１日午後２時３２分、直腸がんのため静岡県内の病院で死去した。球界からは、早すぎる死を悼む声が寄せられた。

　巨人・長嶋茂雄終身名誉監督「１９７６年にトレードで入団して１５勝を挙げ、ノーヒットノーランも達成しました。私が監督１年目だった７５年の最下位から、翌年に初優勝できたのは『初っちゃん（はっちゃん）』の活躍があってのものでした。とにかく球が速く、そして私は「鉄仮面」と呼んだのですが、ピンチでも表情を変えずに投げ抜く姿が印象的でした。先発、リリーフとよく働いてくれて、頼りがいのあるピッチャーでした。韓国のプロ野球でコーチをしていた時から体調が良くないとは聞いていたのですが、こんなに早く亡くなるとは、とても残念です」

　ソフトバンク・王貞治球団会長「寡黙で決して派手さはありませんでしたが、速い直球とフォークで常にいい投球をしていました。西本君や江川君を始め、当時の強力な巨人投手陣の中でよく頑張ったと思います。若くして亡くなられ、残念です」

　スポーツ報知評論家・堀内恒夫氏「パワーピッチャーで、常にマウンドでは攻撃的な投球を見せていた。でも力任せだけではなく、コントロールも良かった。だからセでも勝てた。ニックネームは『鉄仮面』だったが、闘争心が前面に出るような投げっぷり。長嶋巨人のＶ１は、彼と張本さんの加入によるところが大きかったのは間違いない。ゴルフもうまかったし、マージャンもめっぽううまかった。楽しい男だった」

　東尾修氏（西鉄時代のチームメート・野球評論家）「２人とも当時の河村コーチに鍛えられ、よく怒られた。『初っちゃん』は鉄仮面というイメージがあるけれど、食事に行けば面白いことや冗談も言う。とにかく黙々とやるタイプ。体調が良くないとは聞いていた。本当に残念です」

　西本聖氏（巨人時代のチームメート・野球評論家）「口数は決して多くはないのですが、後輩をかわいがってくれる、良き兄貴分でした。優勝を目指して、一緒にプレーした大先輩です。引っ張ってもらったという印象が強いです。ずば抜けていたのがけん制でした。けん制も含めて駆け引きが、いかに大事なのかを学ばせていただきました」