高速増殖炉の仕組
- ・高速増殖炉では、高速の中性子を利用するため、原子炉から熱を取り出す材料(冷却材)として、中性子を減速する作用が小さく熱伝導率の良いナトリウムを使用しています。
- ・原子炉の中にある燃料の核分裂によって発生した熱はナトリウムによって、中間熱交換器に送られます。この原子炉を通るナトリウムを1次系ナトリウムといいます。中間熱交換器では、2次系ナトリウムと呼ぶ別の系統のナトリウムに熱を伝えて、それが蒸気発生器に送られます。蒸気発生器の中では、細管の中を流れる水を熱して蒸気を作ります。この蒸気でタービンを回し、発電機で電気を作るのは火力発電所と同じです。
- ・1次系ナトリウムは、原子炉を通るので放射性物質を含みますが、2次系ナトリウムは熱交換器で1次系ナトリウムと仕切られているので放射性物質を含みません。蒸気発生器で作られる蒸気も放射性物質を含みません。
- ・しかし、ナトリウムは水に触れると激しく反応するという性質があるため、万一細管にピンホールがあいても、それを貫通してナトリウムが水と触れないように、細管を二重構造にしています。
- 燃料はプルトニウムとウランを混ぜた燃料(MOX燃料:Mixed Oxide Fuel)です。
ループ型炉 | タンク型炉 | |
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メリット |
◆各機器への接近性
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◆外乱に対する熱過渡性
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デメリット |
◆配管系の設計上の工夫要
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◆耐震性上の裕度小
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採用国 | 日本、(米(旧実験炉)) | 仏、露、印、(計画中:中、韓) |
ループ型炉(実用炉) | タンク型炉(他国設計例) | |
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原子炉構造 重量•寸法 |
◆小
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◆大
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地震時の影響 (同一地震条件下での解析評価例) |
◆発生応力
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◆発生応力
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プラント経済性 | ◆1(ベース) |
◆1.15
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