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【国際】

ベルリン「テロ」 メルケル首相が窮地に 難民受け入れ政策に打撃

 【ベルリン=垣見洋樹】ドイツの首都ベルリンでクリスマス市にトラックが突入したテロ事件で、難民とみられる男が容疑者として拘束されたことを機に、寛容な難民政策を主導したメルケル首相への批判が一気に噴き出した。反難民を掲げる新興右派「ドイツのための選択肢(AfD)」が批判を強め、与党内部からも難民や移民に厳格な政策を求める声が高まった。

 AfDのガウランド副党首は「複数の身分証を持つ者や犯罪歴のある難民申請者の入国を拒むように、国境を管理するべきだ」と主張した。一方、メルケル氏は「容疑者がわが国で難民申請したことが確かなら特別なショックだ。本気で保護を求めている人には忌まわしいことだ」と無念さをにじませた。

 ドイツは昨年九月、ハンガリーで足止めになった難民に国境を開放。昨年、ドイツに八十九万人が流入した。パスポートなどを持たず身元が確認できない人物も多く含まれていた。

 今年七月、ドイツ南部のバイエルン州で難民申請者による無差別攻撃が二件発生。難民に厳しい世論を追い風に、AfDは支持率を伸ばしている。メルケル氏は、イスラム教徒の女性が全身を覆う衣装「ブルカ」の特定の場所での禁止や難民申請が認められなかった人の早期の送還など、強硬な世論に配慮せざるを得ない状況となっていた。

 

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