アフリカの島国サントメ・プリンシペが20日、台湾と断交すると発表した。中国と国交を樹立するとみられ、中国外務省は21日、歓迎するとの談話を発表。台湾の総統府は遺憾を表明した。トランプ米次期大統領が台湾と中国がともに一つの中国に属するという「一つの中国」に疑問を呈するなか、中国が外交攻勢を強めている可能性がある。これで台湾が外交関係を持つのは21カ国となった。
サントメ・プリンシペは西アフリカのギニア湾に浮かぶ人口約20万人の国。カカオ生産などが主な産業で、巨額の対外債務に苦しむ貧困国だ。当初は中国と国交があったが、1997年に台湾と外交関係を結び、中国と断交していた。
発表を受け、中国は「『一つの中国』原則の正しい軌道に戻ったことを歓迎する」との華春瑩・外務省副報道局長の談話を発表。「『一つの中国』原則は、中国の核心的利益と13億人の中国人民の感情に触れるもので、中国と世界各国が友好的な協力関係を発展させる政治的な基礎だ」と強調した。
一方、台湾の蔡英文(ツァイインウェン)総統はこの日の与党・民進党の幹部会合で「台湾の外交や国際社会への参画に対し、中国大陸の圧力がやんだことはない」と中国を批判。「このような行いは、両岸(中台)関係の長期的な発展に何の助けにもならない。台湾人の不平と怒りを買うだけだ」と訴えた。
また、台湾の李大維・外交部長…
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朝日新聞国際報道部