日比野容子
2016年12月21日20時08分
来年2月に札幌市で開かれる「さっぽろ雪まつり」で、氷に魚介類を入れた「魚氷(さかなごおり)」が従来より規模を縮小して展示されることになった。北九州市のスケートリンクで魚を氷漬けにする企画が批判を受けた影響で中止も検討されたが、運営する「すすきの観光協会」が21日に存続を決めた。
「魚氷」は1984年から続く名物展示。透き通った氷の中をカニやサケ、ホッケなど北海道ゆかりの魚が泳ぐ様子を表現し、人気を集めている。
これまでスポンサー企業2社の資金で展示してきたが、協会内にはスポンサーへの影響や、来場者からの批判などの懸念が出ていた。協会の篠田政一会長は「足で踏みつけるのとは異なり、魚氷は手間ひまかけた芸術品。(中止を求める声に)悔しく、忸怩(じくじ)たる思いがあった」と振り返る。
しかし中止の可能性が報じられて以降、メールや電話で存続を求める声が多く寄せられた。このため今回、協会はスポンサーをつけずに単独で資金を集めて展示する。実行委員長の見上弘明・観光協会副会長は「多くの方から後押しをいただいた。賛成の方にも反対の方にも魚氷の実物をご覧いただき、芸術性の高さに触れていただきたい」と話した。(日比野容子)
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朝日新聞社会部