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グローバル引きこもりブログ

「Common Lispと関数型プログラミングの基礎」というプログラミングの本を書いてます。他に「引きこもりが教える! 自由に生きるための英語学習法」という英語学習の本も書いています。メール acc4297gあっとgmail.com

なぜ国は留学したいという人間にカネを援助するべきではないのか?

少し前の事になるが、スカパーのチャンネルを変える際にたまたま映った日経CNBCで留学特集をやっていた。パックンことパトリック・ハーランの司会で、短期留学を経験した学生が何人か出演して留学に関していろいろ話すというような感じの番組だった。

その番組で「留学に関して社会に言いたいことは?」というお題で学生が意見を言う場面があったが、そこで法政大学だったかの女が

留学する人間にカネを出してほしい

というような事を言っていた。

 

とんでもない話だと思った。

 

僕は基本的に留学というものに懐疑的だ。というのは、英語で学問をするというのは別に日本にいてもできるからだ。

まず英語を勉強することに関しては必要なものは日本国内に全部そろっている。英語を勉強するなんて簡単だ。とりあえず知らない英単語を1万単語くらい覚え、英文解釈教室でも3回くらいやり、英語を数千ページ読んでBBCでも数千時間見ていればいいだけだ。これらの事は全部日本でできる事だ。僕は、英語を勉強するのが面倒だからといって外国にいって手っ取り早く英語を身に着けようという根性が気に食わない。

学問に関しても、今はAmazonがあるのだからどんなド田舎にいても通販で英語の教科書が手に入る。留学にかかる費用と比べたらタダ同然の値段で、アメリカの一流大学で使われている教科書と同じものが注文した日の翌日に手に入るのだ。いったい留学したい!とか言っている連中で、これらの教科書を一冊でも読んだことがある人間がいるだろうか?教科書どころか、洋書の一冊を読んだ経験がある人間だってほとんどいないのではないだろうか。

もし、資金面で留学が難しい、となったときにこれらの留学希望者の内で「学問は日本にいてもできる」と英語の専門書を読み始める人間がどれくらいいるのだろうか。ほとんどいないんじゃないだろうか。

これほど恵まれた日本にいながら英語の勉強の仕方すらわからず、洋書の一冊も読んだことのないバカが留学しても仕方がない。いや、個人が個人のカネで留学をするというのは個人の自由だ。それは全く問題ない。しかし、国民がその程度の人間にカネを出すというのなら話は全く別である。それでは国民のカネでバカに箔をつけてやる事になり、バカに不当な利益を供与する結果になるから国益が毀損される(ここでいうバカとは、いろんな意味で国家の代表としての水準に達していないということだ)。

国民のカネを使って留学をする人間は日本国の国益を考える人間でなければならない。もし国のために英語力が必要だと思って英語を勉強するのならば、留学ができなくても英語を勉強するはずだ。ところが、留学しようという連中をみると、ほとんど自分の事しか考えていないような感じの連中ばかりである。こういう連中は自分の事しか考えないから社会がどうなろうと関係ない。留学したいからカネをだせ、という発言はそのような根性の反映である。結局、自分が好きすぎるから留学したいだけの連中が多すぎる。

そもそも留学関係者がみんな英語力を活かして社会に貢献するようになるという仮定からして間違っている。はっきりいって、留学希望者が留学しても社会的にはニューヨークタイムズの言うような事を言って、経済的にはIMFの言うような構造改革を推進するような第五列になるだけなんじゃないだろうか。留学帰りが深く関与した日本の構造改革なんかはその典型である。

留学というのは特権の正当化につながるので危険なのだ。留学することで、高学歴女が保育士の月給が40万の社会に同意するようになるという事があるだろうか?「私は努力したのだから、努力しなかった女を奴隷みたいに使えて当然」という風になるに決まっているのだ。そして事あるごとに「ガイコクデハー」とゴネはじめる事になるのは目に見えている。

留学経験者が日本にとってプラスなのか、それともマイナスなのかは検証する必要がある。「国際化」がいいかどうかは自明ではない。

たぶん、国民のカネで留学の援助をしてもろくなことにならないだろう。留学というのは成功すれば(失敗例は非常に多い。英語が駄目なのに英語だけの世界に放り込まれるのだから当然だ)個人にとっては素晴らしい。しかし、個人にとっていいことが国にとっていいとは必ずしも限らない。留学経験者の言動やふるまいを見ていると、国民のカネで留学希望者に留学させるという考えには否定的にならざるを得ない。

あえて極論を書いたので、面白い反論を期待する。それから、この文章はあくまで全体の傾向についての印象を書いたものである事をここに明記しておく。

電子出版した本

Common Lispと関数型プログラミングの基礎

Common Lispと関数型プログラミングの基礎

 

 多分、世界で一番簡単なプログラミングの入門書です。プログラミングの入門書というのは文法が分かるだけで、プログラムをするというのはどういう事なのかさっぱりわからないものがほとんどですが、この本はHTMLファイルの生成、3Dアニメーション、楕円軌道の計算、 LISPコンパイラ(というよりLISPプログラムをPostScriptに変換するトランスレーター)、LZハフマン圧縮までやります。これを読めばゼロから初めて、実際に意味のあるプログラムをどうやって作っていけばいいかまで分かると思います。外部ライブラリーは使っていません。

 世間は英語英語と煽りまくりですけれども、じゃあ具体的に英語をどうするのか?というと情報がぜんぜんないんですよね。なんだかやたら非効率だったり、全然意味のない精神論が多いです。この本には僕が英語を勉強した時の方法が全部書いてあります。この本の情報だけで、読む・書く・聞く・話すは一通り出来るようになると思います。