栗色の髪、鼻筋の通った彫りの深い顔立ち。その見た目とは裏腹に、口から出てくるのは、完璧なウチナーグチ(沖縄語)だ。比嘉光龍(ふぃじゃばいろん)さん(47)。消滅寸前と言われる言語を、存続、復活させようと取り組んでいる。「自分は何者か」。子どもの時から悩み、問い続け、たどり着いた。
沖縄県宜野湾市の沖縄国際大学で10月、「ウチナーグチ講座」が開かれていた。教室は受講生で満席。「自分のウチナー名を言ってみて」。講師の比嘉さんが問いかける。答えられる学生はほとんどいなかった。
上原(いーばる)、宮城(なーぐしく)、照屋(てぃーら)、与儀(ゆーじ)、玉那覇(たんなふぁ)……。
琉球王朝時代からの姓には、沖縄語の読みが存在した。光龍さんは「自分や歴史を問うきっかけにしてほしい」と話した。
自身が「出自」に悩み続けてきた。
1969年、本土復帰の3年前…
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朝日新聞社会部