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【東京】

内閣府が企業へ婚活支援奨励 反対議員ら「セクハラを加速させる」

企業の結婚支援について開かれた集会で発言する都議会の塩村文夏議員=千代田区の参院議員会館で

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 内閣府が少子化対策として企業に従業員の結婚支援を奨励しようとしていることに対し、「セクハラ(性的嫌がらせ)を引き起こす」と反対する市民団体や議員、労働組合などが十九日、千代田区永田町の参院議員会館で緊急集会を開いた。二年前、都議会で一般質問中に「結婚しろ」とヤジを受けた塩村文夏(あやか)都議も参加し「私の件では世界中から(都議会へ)非難が集まったのに、同じことをするのか」と批判した。

 塩村都議へのヤジでは、発言者の処分を求めて九万人以上が署名し、海外でも性差別的な暴言として報道された。塩村都議は、企業内で婚活支援がされれば「公然と『結婚しろ』と言える職場環境になる」と懸念。「検討内容を抜本的に見直すべきだ」と語った。

 内閣府は十月に検討会を設置し、七日の第四回会議で提言骨子案を公表。企業が従業員の結婚ニーズを調べ、社内で既婚者が「婚活メンター」となって独身者の相談に乗る仕組みや、効果のあった企業を表彰するなど提案している。

 連合の井上久美枝総合男女平等局長は「結婚できるのに必要なのは婚活支援ではなく、非正規労働者の処遇改善だ」と話した。

 骨子案には、セクハラやパワハラにならないよう配慮を求める記述もあるが、戒能民江お茶の水女子大名誉教授(ジェンダー法学)は「配慮しろと言ってできるなら、とっくにセクハラはなくなっている。声を上げにくい職場へ、セクハラを加速させる提言を行ってはいけない」と訴えた。

 内閣府は二十日に最終の検討会を開き、提言をまとめる予定。

  (柏崎智子)

 

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