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 国と沖縄県が争った訴訟の最高裁判決を受けた記者会見で、報道陣と翁長雄志知事との主なやりとりは次の通り。

 ――県敗訴の受け止めを。

 翁長知事 北部訓練場の返還式もあさってに迫ってきている。オスプレイ(事故)は偶発的なものだとは思うが、年末に畳み掛けるように三つが出てきたことは、沖縄県が「新辺野古基地は絶対に造らせない」「オスプレイ配備撤回」と強く訴えてきたのに、こういう形で年末を迎えるのは大変残念。ただ、沖縄県民の不屈の気持ちは「みんなで心一つにしてがんばっていこう」となっている。私も「新基地は造らせない」「オスプレイ配備撤回」、固い決意でこれからも県民とともに歩んでいきたい。

 ――取り消しは年内に判断するのか。

 翁長 行政が司法の最終判断を尊重することは当然であると話をしてきた。速やかに進めていくということで、きょうはご理解をいただきたい。

 ――菅官房長官は昨日の会見で「オスプレイと裁判は関係ない」と言っていたが。

 翁長 私は辺野古新基地はオスプレイのための基地だと思っている。森本(敏)元防衛相が言っている。配備の以前から、普天間はオスプレイ100機に耐えられない、新辺野古基地にオスプレイはやってくるんだと。元防衛相が予言した通り、12機ずつ来た。辺野古が完成した暁にはオスプレイが飛び交うことになる。

 そういう意味では今回の事故は決して看過できるものではなく、私からすれば墜落だが、原因究明も今のところさらりと話し合いはしているが、考えれば考えるほどおかしいところはある。これを一切構わず「安全だ」としたのも残念だが、もっと残念なのは、日本政府がそれをしっかりと検証することもなく受け入れたということ。さらなる日本政府と沖縄県の信頼関係の欠如につながっていくと思っている。

 ――菅官房長官が和解条項を持ち出して、県が従うべきだという趣旨の話をしていた。

 翁長 今回の裁判の判決は、前から申し上げている通り、判決に従うという意味で当然だと。

 ――沖縄県民が止められる根拠をお持ちか。権限の行使とは別に知事として戦略を描いているか。

 翁長 沖縄県民が戦後27年間、米軍政権下で自治権闘争をしっかりとスクラムを組んでやってきた。あの苦しい中で、県民が一つ一つ積み上げたものがある。今日に至るまで、そういうことは一つもなくなることはなく、今回の辺野古新基地を造ろうとすることに対しても、県民は大きな力を持ってやってきた。

 裁判闘争という意味では敗訴になったが、民意が示されているのにそのままやっていく民主主義の問題という意味でも大変禍根を残す状況。だから私は県民が今日まで培ってきた色んな思いを肌で感じながら、工夫をしながら、あらゆる手法を尽くして「新辺野古基地は造らせない」としっかりやっていきたい。何よりもオスプレイの配備撤回は人命に関わることだから、配備撤回についても大きな輪を作ってがんばっていきたい。

 ――あらゆる権限の行使をしても、また法廷闘争で負けることもあると思うが、就任した時から変わった実感あるか。

 翁長 2年前のあの厳しさから…

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