自民、公明両党の整備新幹線建設推進プロジェクトチーム(PT)は20日の会合で、北陸新幹線で未着工となっている福井県敦賀市以西の延伸について、同県小浜市を経由して京都、大阪に至る「小浜・京都ルート」に正式に決めた。座長の茂木敏充・自民党政調会長は「移動の速さや利便性を総合的に勘案した」と説明した。
京都―新大阪間のルートは判断を先送りし、東海道新幹線の北回りと南回りのどちらにするかを年度内に結論を出すことにした。
北陸新幹線は金沢―敦賀間が2022年度末に開業予定だが、敦賀以西の延伸ルートは決まっていなかった。与党は「小浜・京都ルート」のほか、滋賀県米原市で東海道新幹線に接続する「米原ルート」、京都府舞鶴市を経由する「舞鶴ルート」の3案を検討。国土交通省の試算で「小浜・京都ルート」の所要時間が3案で最短だったのが決め手になった。
ルート決定を受け、国交省は17年度から詳細な調査に着手する。課題は2兆円を超す財源の確保だ。北陸新幹線の建設費は西日本旅客鉄道(JR西日本)の貸付料を除いて国が3分の2、地方自治体は3分の1を負担する。公共事業費を積み増さないと、建設中の北海道新幹線(新函館北斗―札幌)が完成する30年度末まで新規路線に回せるお金がないのが実態だ。
与党の議論はルート選定に集中し、財源をどう確保するかの検討は進んでいない。与党や自治体の間では早期着工への期待が高まっているものの、茂木氏は「財源をどう確保するかという検討が進まないと、着工や完成の時期について判断するのは難しい」と述べるにとどめた。