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 愛知県岩倉市の片岡恵一市長(67)が自身の政治資金問題を追及する市議会について「モンスターペアレントのようだ」「クレーマーに踊らされている」と発言し、批判を呼んでいる。今期限りでの引退を表明している片岡氏は20日、「最後の議会なので激しい言葉を使った」と取材に答えた。

 片岡氏が追及されたのは、自らが代表を務める政治団体が2012年に発行した翌年の市長選向けの冊子の費用の問題。市議会側は、収支報告書に記載されていないとして、説明を求めていた。

 片岡氏は5日の市議会全員協議会で「費用は自分で負担し、問題はない」と主張。「学校で発生しているモンスターペアレントのような状況だ。一部の極端な意見や行動に振り回されている」と市議会側を批判した。

 市議会は12日に「発言は不適切」とする市長問責決議を賛成多数で可決したが、片岡氏は19日の全員協議会でも「議会がクレーマーに踊らされている」と発言。「クレーマー対策として必要最小限のこと以外、返答しないように職員に指導している。その基準で私が行動している」と述べた。さらに「ある議員の質問はクレーマーの指示によるものと認識している」とも語った。

 片岡氏は20日、朝日新聞の取材に「不当な要求をしてくる市民がいる」と主張。「クレーマー対策に悩んでいることを知ってもらうため、最後の議会なのであえて激しい言葉を使った」と話した。片岡氏は、来年1月15日告示の市長選に立候補しないことを表明している。(岡本真幸)