安岡明夫HP(yasuoka.akio@gmail.com)

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090811/090816/090915/090925加筆訂正
1.この話が本当ならば大変なことである。処でこの本にはp.16とp.45に、首にコルセットをつけたラビアさんの写真が写っている。この写真が違和感を持たせるのだ。

p.16の写真には「ちん」(あごの先)が写っていない。p.45の写真には「ちん」が写っている。それはどういうことだろうか?

まず、この写真の首用コルセットは、鞭打ち治療で用いるコルセットと異なっている。首用のコルセットは百種類以上あるが、鞭打ち治療用コルセットとは、幅の広いカラーの様な硬質或いは軟質のプラスチックを、きつく巻いた後で端を本体に合体させれば一気にくっ付く様になっている。はずす時はバリバリ音がするが、一気に外れる。

最近よく、このような着脱が簡単な仕掛けがジャンパーなどに使われるようになっている(一旦ジッパーを閉めたのち、更にこの着脱式の仕掛けを使うことでジャンパーの前の部分がひらひらしなくなる)。

ラビアさんの使っていたコルセットは首の骨折、又はひび(不全骨折)の治療用のコルセットと考えられる。普通首を骨折、又はひびが入った場合、1-2週間程度は入院が必要。コルセットは普通1ヶ月はつける(もっと早くはずす場合もある)。

処で自動車事故で頭や首をやられた場合、日本であればCTかMRIで検査するのが普通である。頭も首もCTかMRIで異常が発見されない場合、それでも患者が強く頭痛やめまいを訴える場合、「鞭打ち」(首の骨の捻挫)とされる。日本の場合は頭蓋骨や首の骨の骨折やひびはCTかMRIで確実に診断される(「鞭打ち」とは単なる首の骨の捻挫ではなく、首の部分の神経、或いは脳自体がCTかMRIで発見されないダメージを受けたものだとの説もある)。

処で日本には住民千人当たりでCTスキャン・MRIがフランス・英国・ドイツの数倍ある。米国と比べてもかなり多い。2002年のOECD統計によると、人口百万人当たりの日本のCT台数は84.4台、MRIは23.2台。一方、米国はCTは13.2台、MRはI7.6台で、CTについては日本は米国の6倍も保有している(
「朝日「医療提言」をどう考えるか?080128」
http://blogs.yahoo.co.jp/oyosyoka803/39315350.html
)。

こうなると米国の場合、首の骨のひびの確認に、CTを使わず単なるX線検査で済ますこともあると思われる。その場合にはひびの方向いかんによってはX線検査でひびが確実に確認されないかもしれない。だから医師によっては、患者の痛みの訴え方いかんで、首の骨のひびとの診断が出るかもしれない。

そこでラビアさんの使っていたコルセットの写真をよく観察すると、首を胴体に対し左右に回してもよいが、上下に曲げることを押さえるためのコルセットと考えられる。首用コルセットはこのほか多くの種類があり、首を胴体に対し左右にも上下にも曲げることを押さえるためのコルセットも存在する(頭蓋骨自身を固定するため、顔の上の2箇所・顔の裏側2箇所と胸および背中それぞれ2箇所、合計8箇所で棒で固定する。ビルを建てるとき足場を回りに組むが、そのように頭と胴体の周りに足場が組み立てられる)。

そこで、このコルセットは首を上下に曲げることをなんとしても押さえるためのものと分かる。

1.然るに、p.16の写真には「ちん」が写っていない。p.45の写真には「ちん」が写っている。それはどういうことだろうか?

首をあごの下で片手で押さえて、これをコルセットと思っていただきたい。次に、ちんをコルセットの下に入れていただきたい。かなり首を曲げなければならないことがお分かりになるだろう。

つまり、このようなコルセットの使用方法では、何のためにコルセットをつけているのかよく分からなくなるのである。

1.この2枚の写真に感ずる違和感は更にある。まず、p.16の写真では首はむき出しである。p.45の写真はコルセットの下に何か布が存在する。

このコルセットは首の上下を押さえるためのものだから、一番いいのはコルセットの上を布で覆うことだろう。何故見せびらかすかのように布がコルセットの上ではなく下にあるのか?

更に違和感を感じたのは、p.45の写真では上着の背広のような服が、コルセットの閉めるための金具と思われるが、その下に位置していることだ。

これではうっかり何かに上着が引っかかるかすると、コルセットが浮いてしまう可能性がある。すると首が曲がりダメージを受ける。普通は上着をコルセット部品の上側に位置させるものだ。そうすれば安全なのである。何故コルセットを大きく見せるかの必要があるのだろうか?

悪く取れば交通事故そのものが、多くの寄付金を集めるための宣伝だったとさえかんぐる人も居るのではないか?

1.この本から受ける疑問点は余りにも多すぎてとても全部かけるものではない。

「その時私は15歳で、アクスでは、はっと人目を引くほど美しかった」(p.19)。

「女盛りの私には、言い寄る男性も多かった」(p.27)。

そして2度目の結婚では、
「私の美貌も財産も全部上げる」
と言って求婚したそうである。

このような人物像の「特異さ」は当HPでは過去記事
「ラビア・カーディルさん、遂に白状を始めたのか?090802」
http://blogs.yahoo.co.jp/oyosyoka803/39701296.html
などで紹介してきたが、かなりの自己中心的人物であることは間違いない。

p.34-37に、中国刑務所内における極端な拷問のさまが描かれているが、ここで疑問なのは、まるで中国当局がわざわざラビアさんを「強固な独立運動家」に仕立てることを狙ったがごとくに話が全て進んでいく不思議さを感じた。

1.更に根本的疑問は、一体ラビアさんが「世界ウイグル会議」議長を引き受けた真の目的は何だったのだろうかという点である。

初めラビアさんが米国に来た当初は、「アメリカで一から商売して」(p.46)と考えていた。それがその年の内にドイツに行き、「世界ウイグル会議」本部を訪問することで考えが変わる。

その「世界ウイグル会議」では、亡命者の生活をささえるには「資金がかかり、とても1人2人が腐心してつくれる額ではなく、コンスタントに入ってくる資金源を考えなくてはならない」、「全会員から月収の何%かを『税』として送金してもらうとか・・」と言うことを考えていた(p.84-85)

ある意味「世界ウイグル会議」は金づるでもあったのだ!

参考文献:
「中国を追われたウイグル人」
(水谷尚子/2007/文春新書)

参考記事:
「中国を追われたウイグル人」に関し次の書評を新たに掲載した。関心のある方は是非御一読をお願いしたい。
書評「中国を追われたウイグル人」090809「1」
http://blogs.yahoo.co.jp/oyosyoka803/39750792.html
書評「中国を追われたウイグル人」090809「2」
http://blogs.yahoo.co.jp/oyosyoka803/39752811.html
(エッセー)ウイグルの針刺し事件を考える090909
[副題:書評「中国を追われたウイグル人」「3」]
http://blogs.yahoo.co.jp/oyosyoka803/39942413.html
(学習ノート)ウイグル人医師アニワル・トフティ氏に関して「1」
[副題:書評「中国を追われたウイグル人」「4-1」]
http://blogs.yahoo.co.jp/oyosyoka803/40044904.html
(学習ノート)ウイグル人医師アニワル・トフティ氏に関して「2」
[副題:書評「中国を追われたウイグル人」「4-2」]
http://blogs.yahoo.co.jp/oyosyoka803/40044905.html
(学習ノート)ウイグル人医師アニワル・トフティ氏に関して「3」
[副題:書評「中国を追われたウイグル人」「4-3」]
http://blogs.yahoo.co.jp/oyosyoka803/40084645.html

またそれ以外の参考記事は下記のとおり:
ウイグル暴動関連重要記事目次
http://blogs.yahoo.co.jp/oyosyoka803/39719208.html
旧「政治」分野記事
旧「政治」分野記事目次「1」
http://blogs.yahoo.co.jp/oyosyoka803/43262016.html
旧「政治」分野記事目次「2」
http://blogs.yahoo.co.jp/oyosyoka803/43262120.html
旧「政治」分野記事目次「3」
http://blogs.yahoo.co.jp/oyosyoka803/43262225.html

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