米国防総省のクック報道官は19日、中国海軍艦艇が南シナ海の公海で奪った米海軍の無人潜水機を中国側が返還したことを明らかにした。15日に潜水機が奪われたフィリピンのスービック湾から北西約50カイリ(約93キロ)の公海上で、米海軍の駆逐艦が回収したという。
クック氏は、潜水機の奪取について「国際法に反している」と批判。「米国は南シナ海での飛行や航行、活動を続ける」と述べ、中国が造成する人工島付近に米軍艦を派遣する「航行の自由作戦」を続けていくことを強調した。
一方、中国国防省も20日、「中米双方の友好的な交渉を経て20日昼ごろ、南シナ海海域で順調に引き渡し作業を終えた」と発表した。
中国国防省はこれまで、中国海軍の救助船が、南シナ海で「正体不明の装置」を見つけて回収し、識別調査を行ったと説明してきた。ただ、米海軍が「偵察目的」で無人潜水機を運用していたとみている模様で、17日に発表した同省報道官談話では、米軍が長期にわたって南シナ海で偵察や軍事的測量を行っているとして「米側にこのような活動の停止を求める」と批判していた。
中国外務省の華春瑩副報道局長…
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朝日新聞国際報道部