Updated: 2016/12/20 18:56
筋肉痛 超回復

筋肉痛があっても筋トレはするべき?それとも休むべき?

筋トレをすると必ず起こるのが「筋肉痛」です。そもそも筋肉痛が出ているとき、筋肉ではどのようなことが起こっているのでしょうか?ここでは、筋肉痛のメカニズムや、筋トレと超回復の関係、筋トレ後の筋肉痛を抑える方法などについて解説します。

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監修者
青木 千陽
NSCA認定パーソナルトレーナー
GOLDジム代々木上原、ヒルトン東京にてトレーニング指導をおこなう

筋肉痛のメカニズム

意外なことに、筋肉痛のメカニズムは、現代の技術を使っても、完全には解明されていません。諸説ありますが、有名なもののひとつが、運動で生じた「乳酸」が、筋肉に何らかの影響を与え痛みが発生しているという説です。

筋肉痛が起きる原因

筋肉痛が起きる原因は、以下の2つです。
1) 動きが初めてで慣れていない

2) 力を入れて筋肉が伸ばされるエクササイズ(ランジなど) をおこなう
 筋肉痛は初期段階で起こりますが、慣れると起こりにくくなってくるのです。

よく勘違いされるのは、「筋肉痛は筋肥大を起こす上でもっとも重要な要素である」ということです。しかし、筋肉痛が起こる原因と筋肥大が起きる原因は別なのです。

筋肥大が起きる原因

1) メカニカルテンション
 筋活動がより高いマッスルダメージのことで、筋肉が運動により収縮された状態で伸ばされ、筋繊維に傷がつきます。

2) メタボリックストレス
 代謝物質がたまり、細胞が腫れを起こすことです。パンプを起こしてトレーニング後に腫れたように感じることがありますよね、それです。

3) マッスルダメージ 筋肉が伸ばされて傷がつく

筋肉量が飛躍的に増える『超回復』とは?

筋トレをすると、筋肉の組織が壊れます。すると体は「このままの筋力では足りないから、今よりも筋肉を大きくする必要がある」と判断して、48〜72時間かけて筋肉を大きくしようとします。これが『超回復』とよばれる現象です。この筋肉にとってのゴールデンタイムの使い方で、筋トレの効果の出方が変わってきます。

筋トレ後の超回復を手助けする栄養素に「たんぱく質」と「アミノ酸」が挙げられます。このふたつを筋トレ後に摂ることによって、超回復の効果をさらに高めることができます。筋トレとセットで考えると良い食品については『筋トレは食事とセットでなければ意味がない?』をご覧ください。

筋肉痛があっても筋トレはするべき?休むべき?

筋肉は超回復を上手く利用することによって大きくなるため、基本的に筋トレ後48〜72時間はしっかりと休息をとることが重要です。

筋トレをしすぎると、筋肉の回復が起こる前に筋肉をさらに傷つけることになり、結果的に筋肉が弱くなってしまうためです。

また、それ以降も筋肉痛が残っている場合には、無理にトレーニングをおこなうべきではありません。筋肉痛がある中で無理にトレーニングをおこなうと、腹筋や体幹に力が入らずフォームが崩れて、怪我の原因につながります。

つまり、ひどすぎる筋肉痛を起こすほどの過度な筋トレは避けたほうが良いです。

回復を遅めてトレーニングの頻度や効果を下げてしまう結果になりかねません。あまり筋トレ慣れをしていないのに急にやりすぎることは避けましょう。

筋トレを始めたばかりのうちは、なかなか筋肉痛が取れず、トレーニングの期間が空いてしまいがちです。そこでオススメなのが、日によってトレーニングをおこなう部位を分けることです。

例えば、上半身を中心としたトレーニングをおこない、次のトレーニングの日は下半身を中心としたトレーニングをおこなうことで、短いスパンでトレーニングを続けることができます。

筋肉痛を和らげるストレッチの方法

筋肉痛がなかなか引かない人は、筋トレ後のストレッチがきちんとできていない可能性があります。筋トレ後のストレッチで重要なのは、筋トレで使った筋肉をしっかりと伸ばしてあげることです。このとき、筋トレ初心者によくありがちなのが『使った筋肉だけ』を伸ばして満足してしまうことです。

筋トレとは、筋肉に負荷をかけて伸び縮みさせることであり、片方の筋肉を縮めようとすれば、反対側の筋肉が伸びます。

それとは逆に、片方を伸ばそうとすれば、反対側の筋肉が縮むわけです。つまり、筋トレで負荷がかかっているのは、鍛えている筋肉と、その反対側の筋肉です。

そのため、ストレッチではその両方の筋肉をしっかりと伸ばすことが重要なのです。自宅の場合は、筋肉がほぐれやすいお風呂などでストレッチをするのがオススメです。

筋トレ後のストレッチについては、詳しくは以下の記事をご覧ください。

筋肉痛にも有効!筋トレの強い味方

ストレッチ以外にも筋肉痛を和らげる方法があります。それは筋トレによって壊れた筋肉の組織を修復する手助けをすることです。一般的に、筋トレ後はプロテインやBCAAを飲むことです。

プロテインは筋肉の構成要素そのもので、不足しがちなたんぱく質を補ってくれます。そのため、筋肉を大きくするのに有効です。

BCAAは、体内で生成できない「必須アミノ酸」を摂ることができ、筋肉の修復を手助けするはたらきがあります。そのため、筋トレ後の筋肉痛を和らげてくれます。筋トレ後にプロテインと合わせて摂ることをオススメします。

筋肉痛の間は筋トレは控えよう

●筋トレ後48〜72時間は『超回復』のための休息をとるべき
●ストレッチは使った筋肉と、その反対側の筋肉を伸ばす
●筋トレ後はプロテインとBCAAで体をサポート

筋肉痛は筋肉が大きくなるための過程であり、この期間はしっかりと休息を取ることが重要です。筋肉痛が引かない場合には、ストレッチを入念におこないましょう。筋トレ後にプロテインやBCAAを飲むのもオススメです。