韓国 チェ被告の初公判 起訴内容を全面否認

韓国 チェ被告の初公判 起訴内容を全面否認
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韓国の国政の混乱につながった一連の事件をめぐり、職権乱用などの罪に問われているパク・クネ(朴槿恵)大統領の長年の知人、チェ・スンシル(崔順実)被告らの初公判がソウルの裁判所で開かれ、チェ被告は、起訴された内容を全面的に否認しパク大統領と共謀関係もないと主張しました。
パク・クネ大統領の長年の知人、チェ・スンシル被告は、パク大統領の求めで、大統領府が設立に関与した2つの財団の運営に関わり、大統領府の前の政策調整首席秘書官、アン・ジョンボム(安鍾範)被告とともに、多くの企業に日本円にして合わせておよそ76億円の資金を財団に拠出させたとして、職権乱用や強要の罪などに問われています。

19日、ソウル中央地方裁判所で開かれた初公判で、チェ被告の弁護士は、起訴された内容について、「すべて認められない」と述べ全面的に争う姿勢を示しました。

焦点となっているパク大統領と共謀関係にあったかどうかについて、弁護士は、パク大統領ともアン被告とも共謀した事実はないと主張しました。

また、アン被告の弁護士も、企業からの財団への資金について「大統領の言葉を経済団体に伝えただけだ」と述べ、同じく大統領との共謀はなかったと主張して起訴された内容を否認しました。

一方で、パク大統領の指示を受けて、公務上の秘密にあたる内部資料47件をチェ被告に渡したとして、公務上の秘密を漏えいした罪に問われている、大統領府の前の秘書官、チョン・ホソン被告の弁護士は、「起訴された内容を認める」と述べ、大統領との共謀についても「大筋で認める」と述べました。

裁判所での様子は

チェ・スンシル被告は、開廷のおよそ30分前にソウル中央地方裁判所に到着しました。

チェ被告は白いマスクにメガネをかけていて、大型の護送車から降りると、両脇を抱えられながら建物へと入っていきました。そして、傍聴席に集まったおよそ150人が見守る中、チェ被告が法廷に入り、被告席に着席したあとは、終始うつむいていました。

裁判では、チェ被告の弁護士が起訴内容を否認すると主張し、裁判官がチェ被告本人に対して「起訴内容をすべて認めないのですか」と尋ねると、「はい」とだけ応えたということです。

また、韓国メディアによりますと、チェ被告は「ドイツから帰国したときは、いかなる罰も受けるつもりでしたが、今は正確なことだけを明らかにしなければならないと思う」と述べ、争う姿勢を示したということです。

弁護士「3者共謀は存在しない」

チェ・スンシル被告の弁護士は、初公判のあと記者団の取材に応じました。

この中で弁護士は、起訴された職権乱用や強要などの罪に関連して、「検察は、チェ被告とアン被告とパク大統領の『3者による共謀だ』と主張している。この3者による共謀が存在しなかったのだから、起訴内容は認められない。この点を重点的に強調した」と述べました。

さらに、「チェ被告とアン被告は互いに知らない間柄で、2者についても共謀の事実は認められない」と主張しました。

このほか、詐欺未遂などほかの起訴内容についても否認すると述べました。

また、検察が、チェ被告のタブレット端末に大統領府の内部資料などが残されていたと主張していることに関連し、「裁判所の判断に決定的な影響を及ぼすため、タブレット端末の鑑定が必要だ」と述べ、鑑定によって端末の所有者を明らかにすべきだと主張しました。