韓国国政介入事件の主犯 崔被告の初公判=起訴内容を全面否認

【ソウル聯合ニュース】韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領の親友、崔順実(チェ・スンシル)被告の国政介入事件で、崔被告ら3人の事実上の初公判となる公判準備手続きが19日午後、ソウル中央地裁で始まった。出廷した崔被告は朴大統領と共謀した事実がないとして、起訴内容を全面的に否認した。

 公判準備手続は正式審理に先立ち、裁判の争点や立証計画を整理するため被告に出廷義務はないが、崔被告は自らの主張を積極的に表明するために法廷に立つことを決めた。

 崔被告は「628」の番号がついた白っぽい服を身に着け、頭を下げたまま法廷に現れた。

 崔被告は「ドイツから戻ったときはいかなる罰も受けるつもりだったが、早朝までたくさんの取り調べを受けた。もう(裁判で)正確に明らかにしなければならないと思った」と悔しさをあらわにした。

 崔被告の弁護人は「検察の公訴事実のうち8件が大統領と共謀したとのことだが、大統領と共謀した事実はない」として、「前提になる共謀がないため、罪は認められない」と主張した。

 弁護人は崔被告が前青瓦台(大統領府)政策調整首席秘書官の安鍾範(アン・ジョンボム)被告と共謀し、鉄鋼大手・ポスコの系列広告会社の株式を不正に入手しようとした起訴内容について、「そのような行為はしていない」と否認した。

 崔被告の会社「THE BLUE K」が事業を遂行できる能力がないにもかかわらず、崔氏が実質的に支配したスポーツ支援財団「Kスポーツ財団」に事業を提案し、資金を出させようとした詐欺未遂罪に関しては、「民事の事案にすぎない」と否認した。

 また弁護人は、崔被告が所有していたものだと検察が結論付けたタブレット端末を証拠として採用するよう要請した。このタブレット端末は崔被告に朴大統領の演説草稿や政府高官の人事資料などを渡したとして公務上の機密漏えいの罪で起訴された前青瓦台秘書官のチョン・ホソン被告に関する証拠として裁判所に提出されている。

 公判準備手続きに安被告とチョン被告は出席しなかった。

 安被告側は財閥企業にKスポーツ財団と文化支援財団「ミル財団」への資金拠出を強要した罪について、「大統領から話を聞き、全国経済人連合会に伝える意味合いで話しただけ」と起訴内容を否認した。崔被告との関係に関しては、「(朴大統領の元側近である)チョン・ユンフェ氏の夫人だったことぐらいは知っていた」と主張した。

 チョン被告側は、朴大統領と共謀して公務上の機密を漏えいしたことについて「概ね認める」と述べた。

 地裁は弁護人らが資料の検討を十分に行っていないことを理由に29日に2回目の公判準備手続きを開くことにした。

 崔被告と安被告は約50の企業に対し、昨年10月と今年1月にそれぞれ発足したミル財団とKスポーツ財団に計774億ウォン(約76億円)を拠出するよう強要した職権乱用の罪などに問われている。

 チョン被告は崔被告に機密文書47件を含め、約180件に上る青瓦台と政府の文書を渡した罪で起訴された。

 公判準備手続きには抽選で傍聴券を入手した一般市民80人や大勢の取材陣が集まり、事件への高い関心をうかがわせた。

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