発生農場付近を通る軽ワゴン車に消毒液を吹き付ける白い防護服姿の作業員たち=宮崎県川南町で2016年12月19日午後7時34分、尾形有菜撮影
宮崎県は19日、同県川南(かわみなみ)町の養鶏場の鶏から簡易検査で鳥インフルエンザの陽性反応が出たと発表した。20日に結果が判明する遺伝子検査で高病原性の疑いが強まれば、家畜伝染病予防法に基づきこの養鶏場の約12万2000羽を殺処分し、半径10キロ以内で鶏や卵の移動を制限する。
11月以降、新潟、青森両県と北海道で鶏や食用アヒルから鳥インフルエンザが相次いで検出されていたが、九州の家畜では今季初の疑い事例となる。
県によると、川南町の養鶏場で15日ごろから連日10~20羽の鶏が死に始め、19日には1日で約100羽に達したため農場が県に通報。県宮崎家畜保健衛生所の簡易検査に回した7羽すべてからA型鳥インフルエンザの陽性反応が出た。検査したのは死んだ鶏5羽と生きている鶏2羽だった。
これを受け県は同日、養鶏場から半径10キロ圏の約150農場(最大約578万羽)の鶏や卵の移動自粛を要請した。並行して殺処分や埋却作業の準備を始めており、200人態勢になる見込み。
宮崎県内の養鶏場では2007年と11年、14年にも高病原性鳥インフルエンザが発生し、被害が大きかった11年には13農場で約102万羽が殺処分された。農林水産省によると今年2月現在、県内のブロイラー飼育羽数は約2744万羽、飼育戸数は473戸でいずれも全国1位となっている。【黒澤敬太郎、塩月由香】