ラスベガス・サンズ(LVS)は世界最大の統合型カジノリゾート企業
ラスベガス・サンズ(LVS)は創立は新しく、1988年です。上場を2004年末にしましたが、リーマンショックで大打撃を受けました。その後経営は持ち直しつつあります。年間の売上高はおおよそ100億ドルから150億ドルというところです。
このようになっています。カジノ業界全体の売り上げは2000億ドル、およそ20兆円超とされています。この金額はちょうど日本のパチンコ業界の売り上げと同じです。世界中のカジノの売り上げと、日本のパチンコ業界の売り上げが同じです。世界で突出してギャンブルの売り上げが大きい国が日本ということです。
たいていどこの国もカジノは市民生活から隔離されています。入退場がはっきりと区切られています。いわば、非日常です。しかし、日本のパチンコの場合は市中に堂々と、しかも一等地に進出していますから、浸透度と手軽さが全然ちがいます。
街中にいつでもギャンブルができる施設があるのは世界中を探しても日本ぐらいです。そういう意味では日本はギャンブルに非常に理解のある国と言って良いでしょう。お隣の韓国もパチンコは盛んでしたが、およそ10年前に国家政策で全面禁止になりました。
話を戻します。ラスベガスサンズの本拠であるラスベガスにはベネチアン、サンズ・エクスポ、ザ・パラッゾなどの統合型施設を持ちます。この統合型というのは、超一流レストランやショッピングモール、高級ホテルなどを併設したリゾート施設です。
カジノ客だけではなく、一般の人たちも楽しめるような、そういうエンターテイメント施設になりつつあります。すそ野を広げ、多くの一般市民を取り込んでいかないと企業成長できない時代になりつつあるからです。日本は上手に一般市民をギャンブルに取り込んでいますから、カジノ業界にとって垂涎の国とも言えます。
ラスベガスサンズはこのようなカジノを中心とした統合型リゾートをラスベガスやマカオを中心に展開しています。他には、ペンシルベニア州にサンズ・カジノ・リゾート・ベスレヘム、中国のマカオにサンズ・マカオ、ザ・ベネチアン・マカオ、シンガポールにマリーナベイ・サンズを持ちます
この中でも中心的に収益をあげているのがベネチアン・マカオです。ラスベガスも有名ですが、アジアの経済成長を受けてマカオの存在が非常に大きくなってきており、これを受けて2016年9月にはザ・パリジャン・マカオをオープンさせています。
マカオ市域全体のカジノ関連の売り上げは300億ドル近くあり、ラスベガスの100億ドルを優に上回ります。中国マネーが集中しているのです。ただし、習近平体制になってからは監視の目が厳しくなっており、伸びもひと段落しています。
ラスベガス・サンズの売り上げはマカオが6割、シンガポールが2割5分、のこりのおよそ15%が米国です。アジア人、とくに中華系のカジノ好きが伝わってきます。
※シンガポールのマリーナベイ・サンズ。本社ページから
世界のカジノが、マリーナベイ・サンズのように、見た目にきれいで非日常感あふれる施設づくりをしています。私は東南アジアの場末のカジノぐらいしか行ったことがありませんが、あの雰囲気は嫌いじゃありません。
ラスベガス・サンズ(LVS)のチャートと配当
※グーグルファイナンスから
2006年12月 株価90ドル 配当 無配
2016年12月 株価57ドル 配当 0.72ドル
2004年に上場してしばらくは無配でした。2012年に0.25ドルの配当を出してからは増配をし続けています。現在は配当利回りが5%を超える高配当銘柄です。
株価は-36%といささか残念なことになっています。中でもリーマンショック時の落ち込みがひどく、2ドル近辺まで落ちています。もしこのときに買っていたら、30倍近くになっていましたが、経営不安が懸念されるレベルでしたから、ちょっと難しい話ですね。
ラスベガス・サンズ(LVS)の基礎データ
ティッカー:LVS
本社:アメリカ・ネバダ州・ラスベガス
来期予想PER:26.8倍
PBR:6.54倍
ROE:28.5%
ROA:12.1%
EPS:2.05ドル
配当:2.88ドル
上場:ニューヨーク証券取引所(NYSE)
配当性向は100%を超えており、若干の不安要素になっています。5%を超える高配当ですが、それが継続できるのかは今後の業績次第ということです。