名古屋フィギュア
2017年1月7日(土)
国内トップスケーターが集結
一面酉が来年の顔なのに…展示・催し中止相次ぐ インフル対策に悩む動物園
東山動植物園(名古屋市千種区)の高病原性鳥インフルエンザ問題などを受け、動物園や水族館で鳥類の展示や来年の干支(えと)、酉(とり)にちなんだイベント中止の動きが広がっている。未然に感染を防止するのが理由だが、鳥インフルの流行が恒常化する可能性もあり、各園は感染のリスクと自然に近い展示方法のあり方を巡る新たな課題に直面している。 動物園エリアの休園から一週間となった十八日、東山には遠方から知らずに訪れた人たちが絶えなかった。孫娘(4つ)を連れた茨城県土浦市の石和田しづ江さん(65)は「コアラを見せたかったんですが…。早く帰って上野動物園に行こうかな」と残念そうだ。いったん鳥インフルが発生すれば、動物園経営への影響は避けられず、各地の園は警戒を強める。 愛知県豊橋市の豊橋総合動植物公園は十五日、園内の「大沢池」で消毒用の消石灰を散布した。池はすでに水抜きを終え、池のほとりで放し飼いしていたハクチョウやインドガンなど計七羽は十一月中旬に屋内に収容。今冬の展示をとりやめる予定だ。 池の広さは六千平方メートル。ピーク時には越冬するマガモなど五百羽の野鳥がハクチョウなどの餌を求めて集まる。滝川直史事務長は「毎年のように感染が問題になると防御策をとらなければいけない」と話す。 ◆感染例なくても慎重野鳥が飛来する池がない園も対応に追われる。西山動物園(福井県鯖江市)は、「ケージの網目が大きく、スズメが入ってこられる」(担当者)として、おりの中で飼育するタンチョウ二羽の展示をやめた。愛知牧場(愛知県日進市)もケージ内で約十羽の鳥を間近で観察できる「鳥エリア」の営業を中止した。 伊勢シーパラダイス(三重県伊勢市)は十五日、ペンギンと柵越しに対面できる「ペンギンの森」での飼育展示の中止を発表した。担当者は「ペンギンへの感染例はないが、鳥類なので慎重な対応をせざるを得ない。終息を待って再開したい」と話す。 一方、イベントも各地で中止に。日本モンキーパーク(愛知県犬山市)は来年一月一、二日に十七種の鳥を集めて触れ合う「酉年!!いろんな鳥が大集合」を中止する。茶臼山動物園(長野市)はオオコノハズクと年賀状用に記念撮影するイベントをやめ、モルモットで代用した。 ◆触れ合い増やしたが日本動物園水族館協会によると、動物が元来いる生息環境を再現して観察するのは世界の傾向だ。ただ、園内の池などで自然に近い姿を観察し、触れ合ってもらう展示は、かえってウイルスを持った野鳥などと接触する機会が増えることにつながる。 成島悦雄専務理事は「流行期は、屋内に入れる対策を取った方がいい」と助言する。実際、南知多ビーチランド(同県美浜町)は五年以上前から十一〜三月はペリカン三羽の展示を控えている。 しかし、すべての鳥類用に収容施設が整っている園は多くない。放し飼いの鳥の中を散策できる「フライングケージ」と猛きん舎の展示を中止した浜松市動物園の山本直規獣医師は「新たに整備すると億単位が必要になり、その場所もない」と話し、現実的ではないとの見方だ。 東山動植物園はどうするのか。黒辺雅実動物園長は「東山は自然を感じられる施設での展示を目指している。ただ、野鳥と接触するなどのリスクもあり、今のままではいけない」とし、展示方法の見直しを検討する考えを示唆した。 (社会部・奥田哲平、河北彬光) ◆全国施設の7割が見直し共同通信の集計では、日本動物園水族館協会に加盟する動物園89施設のうち、約72%に当たる64施設が鳥類の展示や、来年の干支である酉にちなんだイベントを中止・変更している。 中止や変更のない施設には「鳥類がいない」「もともと冬は鳥類舎の立ち入りを禁止している」といった例が含まれる。 PR情報
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