過労自殺の報道があると、インターネット上などでは必ず「死ぬくらいなら辞めればいいのに」という意見が相次ぐ。だがそんな判断力すら失ってしまうのが過労の恐ろしさ。そのことを伝えようとツイッターに投稿された漫画が、大きな反響を呼んでいる。
執筆したのは、広告制作会社に勤務していたときに「うっかり自殺しかけた」経験をもつフリーのイラストレーター、汐街コナさん。電通社員の過労自殺を受け、「過労自殺への道は本人の意思とは関係なく繋がってしまう。早い段階での対処が必要だということを、本人にも周囲にも知っておいてほしい」との思いで描いた。
投稿したときには「『こんなことになる人がいるの?』という懐疑的な感想がくると思っていた」。だが実際には同じ状況を経験したと共感する声が多く、リツイートは13万超。「皆、頑張り過ぎているのでは」と心配する。
汐街さんは転職して事務職に就き、その後家庭の事情で退職。現在は主婦をしながら、ホームページを開設してゲームキャラクターのデザインなどを請け負っている。漫画のラストはこんな言葉でしめくくった。「世界は本当はひろいのです 忘れないでください」。
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