ディー・エヌ・エー(DeNA)による情報まとめサイトの不適切運営問題が他の大手企業に波及する中、同社のマニュアルに「複数意見を寄せ集めれば独自性の高い記事になる」などと不正を“指南”するかのような文言が含まれていることが明らかになった。拡大する問題の背景には、広告収入のため、なりふり構わず、記事の質よりも量を追求する利益優先の体質があったとの指摘も上がっている。(社会部 福田涼太郎)
問題の発端となったのは、DeNAが昨年10月に立ち上げた健康医療情報を扱ったサイト「WELQ(ウェルク)」だ。
以前から「化粧品でアトピーが改善」「乳酸菌はがん細胞の増殖を押さえ込む」など、信憑(しんぴょう)性が疑われる記事の掲載が相次ぎ、今年秋ごろからインターネット上では批判が目立つようになっていた。
並行して文章の無断転用や改変も問題視されていた。自身のブログから200カ所以上を引用されたという、東京都目黒区でクリニックを経営している桑満おさむ医師は、「執筆者の意図を無視して原文を変えたり、他のサイトと継ぎはぎしたりしているため、誤った内容になっている」と指摘する。
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