孫子の兵法といえば、世界で一番有名な兵法書です。
実は、孫子の兵法は、三国志の英雄である『曹操』や、中華人民共和国を建国した毛沢東、ひいてはマイクロソフト社のビル・ゲイツ、歴史に名を残す偉大な英雄から現代の大成功者まで、こぞって愛読している名著なのです。
ふーん。
でもさ、ビル・ゲイツさんは、なんでまた孫子の兵法なんて、何千年も前の古くさい本なんて読んでいるんだろう??
そんな風に疑問に思う方もいらっしゃるかと思います。
いえいえ、逆に考えてみてください。
今から2500年以上も前に書かれたとする孫子の兵法が、どうして、今になっても読まれ続けているのか。
2500年という気の遠くなるような長い時の洗礼を受けて、なお、残り続け、読まれ続けるということこそ『凄い』ことだとは思いませんか。
今回は、そんな孫子の兵法を紹介します。
実は、孫子の兵法は、将軍職を対象に書かれた戦略書であり、この将軍職というのは、現代のビジネスではマネージャー職にあたります。
孫子の兵法が、どうして、現代の経営者や管理職の人に読まれているのかというと、それは、兵法が単なる戦の方法について語られているのではなく、人間存在についての鋭い洞察が語られているからです。
たとえば、孫子の名言に以下のようなものがあります。
『彼を知り己を知れば百戦危うべからず』
これは、敵を知り、己を知れば、百回戦ったとしても危険に陥ることなく勝つことができる、という意味合いを持っています。
確かに、勝負をするときは、ライバルのことを良く知り、自分たちの資本力やできることを知らなければ、大きな失敗をしてしまったり、大敗をしてしまったりする危険があります。
このような孫子の言葉は、現在にも通用するどころか、逆におろそかにすると思わぬ失敗に繋がることばかり。
そこで、現代のビジネスにも使える、孫子の兵法における重要なエッセンスを5つの原則として簡単にまとめてみました。
目次
孫子が教えてくれるチャンスを逃さない5つの原則
1、敵と自分の戦力をきちんと把握する
先ほども言いましたが、ビジネスで勝負に出るときは、敵(ライバル)と自分の戦力をきちんと把握しておく必要があります。
ライバルの情報や、自分の会社が取り組もうとしている対象の情報、自分たちの戦力をきちんと掴んでいなければ、誤算に続く誤算によって、取り返しのつかない失敗をしてしまうでしょう。
決して安くない資本を投入した後に、結局、ダメだった、では遅いのです。
もし、ビジネス競争に負けたくないのならば、「何となくいけそうな気がする」ではなく、きちんと腰を据えて、相手や取り組む情報、自分たちの戦力についての情報を集めましょう。
2、自分の戦力に応じた戦いをする
2つめは、自分たちの戦力を知った上で、自分たちの戦力に応じた戦いをすること、です。
実力に不相応、つまり、見合っていない戦い方をすると、どこかで無理が生じて、結果、敗戦や失敗へと繋がります。
たとえば、中小企業であるにも関わらず、大企業と張り合うようなことをしたり、無謀なビジネスを始めてしまったりすると、資本力が追い付かず、結果、巨額の負債を抱えて会社が倒産することにもなりかねませんよね。
3、チームが心を一つにしている
3つめは、チームワークがきちんと機能するかどうかを把握しておくこと、です。
あなたと周りの人たちは、きちんと十分なチームワークを発揮することができる状態でしょうか。
自分の周囲にいる人たちと目標を共有して、力を合わせることができる状態になければ、いくら大きな目標があっても、それを成し遂げることはできません。
仕事は、自分ひとりでするものではなく、仲間と一緒にチームワークを発揮して取り組んでいくことが大切なのです。
自分一人の力なんてたかが知れているわけですからね。
4、準備を万全にしライバルの不備を狙う
孫子は、たとえチャンスが目の前にないときでも、常に備えを怠らないことを説いています。
万全の準備とは、つまり、チャンスを逃さない準備のこと。
普段から気を抜かず、チャンスがきたときのために備えていれば、いざ、目の前にチャンスが到来したときもそのチャンスを逃すことなく、機会をものにすることができるでしょう。
逆に、ライバルが気を抜いているときに準備ができていれば、ライバルの隙をついて、追い抜くことも可能です。
5、部下が有能であり、経営者は部下の指揮権に干渉しない
あなたが経営者だとしたら、その部下であるあなたの仲間
は有能たりえているいるでしょうか。
部下が実力を発揮できる環境をつくることが、経営者の仕事です。
有能な部下あるいはパートナーを雇うことができているのであれば、その人物が実力を100%発揮できる環境を用意しておくことが大切です。
いかがでしたでしょうか。
今回は、孫子の兵法が教えてくれるビジネスチャンスをものにする5つの原則をまとめてみました。
これらのビジネスチャンスを確実にものにするための基本の5原則に気をつけておけば、いざ、チャンスが到来したときも他のライバル会社に出し抜かれることなく、あなたの会社も十分に力を発揮することができるかと思います。
孫子の兵法で教えてくれることは、2500年も前から実践されてきたことで、いわば基本中の基本。
ですが、テクニックやアイディアの目新しさ、行動にとりかかるスピードばかりが重要視される昨今では、周囲の動きにばかり気を取られ、これらの基本が軽視されている会社も少なくないのです。
なので、ここで基本・原点に立ち戻ることで、会社の基礎固めをすることは非常に重要なことです。
基本・基礎が出てきていなければ、どんなに素晴らしいビジネスプランがあっても、それが達成されることはないでしょう。
この辺りで、一度、孫子の兵法を読み直し、基礎固めにしておくのも重要なことかと思います。