同氏は「ハンファの(価格)競争力は非常に高い」としたうえで「歴史的に見て、大砲需要の約4分の1は韓国政府が占めており、大砲生産のスケールメリットは大きい。ドイツの同業他社の価格設定はその約2倍だ」と話した。
だが、韓国にとっては、KAIがこの先、米空軍から練習機500機の受注契約を確保できるかどうかが今後を大きく左右する。同社のT-50ジェット機は米ロッキード・マーチンから技術支援を受けて開発したものであることから、受注を勝ち取れる可能性は高いとチョイ氏は話す。受注できれば、米国の同盟国もこれに続く可能性が高い。
だが、悲観的な要素もある。ハンファやKAI、対ミサイル・レーダー機器製造のLIGネクスワンなどの株価が、同国保守派の朴槿恵(パク・クネ)大統領の政治スキャンダルが発覚した10月下旬に急落したのだ。
投資家は、朴氏の後任に、世界10位である同国の軍事費に予算をつぎ込むのにさほど熱心でないリベラルな大統領が就任することを懸念していた。
だが、その懸念もつかの間で、米大統領選で、韓国から3万人余りの駐留米軍を引き揚げる可能性を示唆したドナルド・トランプ氏が当選したことを受け、株価は約10%上昇した。
By Bryan Harris in Seoul
(2016年12月6日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)
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