討論で最初の争点になったのは、大韓民国臨時政府を国家と見ることができるか、という点だった。梁承兌教授は「臨時政府には国民代表性、統治権、国際法的な承認が備わっていないので、国家とは見なせない」と語った。キム・チャンロク教授は「臨時政府は内政・外交・国防の面で一定の実績があるので、実効性を持った国家と見るべき」と語った。鄭栄薫教授は「『領土・国民・主権を備えた権力機関』という国家の定義を厳格に適用するなら、臨時政府は不安定な国家であって、きちんとした条件を備えた国家は48年に『建国』されたといえる」と語った。
2番目の争点は、「大韓民国樹立」という表現がニューライトの歴史観や「建国節」の主張につながるか、という点だった。鄭栄薫教授は「『48年建国論』を容易に受け入れられないのは、大韓民国を民族・民族史と切り離そうとする意図が下敷きになっているから」と語った。梁承兌教授は「8・15は『建国日』ではあるが、この日を『建国節』とだけ規定して『光復』(日本の植民地支配からの解放)の意味が色あせてはいけない」と語った。これに対し、金明燮教授は「これまでいかなるニューライト団体にも加入したことはなく、ニューライトと結び付けないでほしい」と語った。姜圭炯教授は「『大韓民国樹立・建国』と建国節の主張は別」と語った。
12日の討論会には、「大韓民国樹立」という表現に反対する光復会のメンバーが大挙して出席し、大声を上げるという緊張した雰囲気の中で行われた。