正恩体制、揺らぐ忠誠…全世帯から「カンパ」

読売新聞 / 2016年12月18日 9時53分

中朝国境で11月に売られた北朝鮮の「金王朝」への忠誠を象徴するバッジ。2つで500元(8500円)ほどが相場という(中川孝之撮影)

 【瀋陽=中川孝之、ソウル=井上宗典】北朝鮮の 金正日 キムジョンイル 総書記が死去し、三男の 金正恩 キムジョンウン 朝鮮労働党委員長が実権を握ってから17日で5年となった。

 朝鮮労働党機関紙「労働新聞」は17日、「核強国の地位を固めた」と正恩氏の業績をたたえたが、経済制裁のしわ寄せを受ける住民の間では正恩氏に対する忠誠心の揺らぎも見える。

 中朝関係筋によると北朝鮮当局は11月頃から、全世帯から1戸当たり0・7ドル(約83円)を徴収し始めた。正恩氏の軍最高司令官就任5年(30日)など年末行事へのカンパが名目。農家の10日分の生活費を超えるといい、「農民はその日の米にも困っている」と平安北道の政府関係者は親しい中国人に不満を漏らした。

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