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【クローズアップ科学】
小型ロケット「イプシロン」 進化した2号機20日発射 低コストと高性能を両立
森田泰弘JAXA教授「作業の妥当性、外部で常時検証」
--初号機の成果をどう振り返るか
「打ち上げをシンプルにした。大型機などの技術も使ってコストを抑え開発期間を短くし、ロケットは機種横断的な開発が重要だという手本を世界に示せた」
--2号機の意義は
「初号機に大きな改革を加え、低コストだけでなく高性能化も実現。機体全体を最適な性能にした。今後もどんどん成長させ、宇宙開発利用を盛り上げたい」
--コストや効率化を重視するあまり信頼性を犠牲にしていないか
「それは全くない。やせ我慢するような開発はしていない。例えば、部品点数を減らせれば機体が軽くなって性能が上がり、コストは下がる。しかも壊れる要因が減る。このように高性能、低コスト、高信頼性の3点を考え開発している」
--初号機では機体の姿勢を監視するコンピューターの設定ミスで、打ち上げが直前に延期されるトラブルがあった
「点検で思い至らない部分が若干あることにチーム内で気付かなかった。その後、開発や製造、点検の過程で常時、チーム外の人が作業の妥当性を独立に検証する体制にした。実際の飛行と極力同じ試験を行い、同じにできない項目は別の方法で全て確かめている」