歯科医が警鐘!確実に死に近づく歯磨きがあることを理解する
講演前の森永宏喜氏。
いま、この記事を読もうとしたあなたは、タイトルが過剰で脚色していると思ってはいないだろうか。これは事実である。その実体を知りたい方は記事を読み進めてもらいたい。
世界に先駆けて超高齢化社会が現実のものになっている日本。誰もが長い人生を「自分らしく生きたい」と願っている。ところが現実はそう簡単ではない。食が豊かになりすぎたことで、罹患リスクは高まり「悩める晩年」が社会全体を巻き込んでいるからである。
今回は、歯科医師であり、米国抗加齢医学会認定医として「米国発、最先端の抗加齢医学を誰よりもやさしく語れる歯科医師」として活動をしている、森永宏喜(以下、森永氏)に話を伺った。
■歯磨きの方法は死亡率に影響を与える
――歯や口の中を良好に保つことは生活習慣病や認知症を防ぎ、介護に依存しないシルバーライフを迎えるための大きなポイントとなっている。虫歯や歯周病などの疾患は、早期発見、早期治療が大切と思っている人も多いようだが実はそれがベストとはいえない。
「もっと大事なのは、そうした症状を起こさないようにすることです。予防こそ歯の健康を守る最高の対策なのです。そのためには、毎日のケアが何よりも重要になってきます。歯磨きは、歯垢を残さないように丁寧にブラッシングしましょう。特に寝る前の歯のケアは大切です。」(森永氏)
「口の中の細菌は、唾液の分泌が減る就寝中に盛んに活動します。菌のエサになる食ベカスや菌の棲家である歯垢は、就寝前にしっかり除いておく必要があります。」(同)
――なお、デンタルフロスを使うことは予防上、効果的とのことだ。歯ブラシだけでは落としにくい歯間の汚れを落とすことができ、歯垢の蓄積を防ぐことができる。
「就寝前のブラッシング、毎日のデンタルフロスを使ったケアと死亡率との関係を調べた興味深いデータをご紹介しましょう。5611人の高齢者を平均9年間にわたって調査した結果ですが、これによれば、就寝前に歯磨きをする人に比べ、全くしない人は20~35%も死亡リスクが上昇したといいます。」(森永氏)
「また、デンタルフロスを毎日使う人と比べて、全く使わない人は30%も死亡率が高くなったそうです。さらに、2~3か月に一度歯科を受診する人と比較して、全く受診しない人は30~50%も死亡リスクが高くなったということです。」(同)
――これは、驚きの結果といえよう。これらのデータからも、歯磨きの重要性を理解できるのではないだろうか。
■歯はいつ磨くべきなのか
――長生きするためには、1)就寝前の歯磨き、2)毎日のデンタルフロスの使用、3)定期的な歯科受診が必要とされる。
「なお、喪失した歯の数が多くなるほど死亡率は高く、全く歯のない人は、義歯を装着していても、20本以上自分の歯を持つ人よりも30%死亡率が高いという数字が報告されています。歯の健康を守るためには、口の中の細菌を取り除くことが大事なことに変わりはありません。」(森永氏)
――では、一日に何回ブラッシングしたらよいのか、いつ磨くのが効果的なのだろうか。
「歯磨きの目的は、歯垢を除去することです。しかし、人によって適したブラッシングがあるので一概には言えません。一日たった1回磨いただけで問題のない人もいますし、毎食後磨いていても、なかなか症状がよくならない人もいます。回数や時間よりも、最も合った方法で、歯垢をきちんと除去して残さないことが大切なのです。」(森永氏)
「就寝中は唾液の分泌が少なくなるため、唾液の殺菌作用が発揮されなくなり、細菌の働きが活発になります。歯垢が作られるリスクが起きている間の何倍にも跳ね上がります。ですから、就寝前の歯磨きは不可欠です。これは、誰にも共通していえることです。」(同)
――「歯と口の健康」がいかに大切か、改めて認識する必要性がありそうだ。
参考書籍
『全ての病気は「口の中」から! 』(さくら舎)
尾藤克之
コラムニスト
アゴラ出版道場、第1期の講座が11月12日(土)に修了しました。出版社と面談が決まった一期生は企画をアレンジし、捲土重来を目指す受講者も日々ブラッシュアップ中です。二期目となる次回の出版道場は来春の予定です。
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