LG電子の趙成珍(チョ・ソンジン)社長は大学を出ていない高卒として知られるが、今回趙社長が副会長に昇進したことが大きく報じられた時も「高卒」がクローズアップされた。これはあまり良い傾向ではないと思う。学歴よりも「なぜ成功したか」を伝えた上で、例えば「意志の化身」といった表現をした方がよいのではないか。おそらく趙社長自身ももう高卒ということをさほど気にしていないはずだ。「高卒」という言葉にはそれを賞賛する意味合いももちろんあるだろうが、一方で大卒者が心の中で自分たちと区別しているような感じも受ける。
集団が凝り固まった組織や社会は望ましくない。今も鉄道、海洋、税務、法曹などさまざまな分野で「特定の大学出身者が幅を利かしている」などの言葉がよく聞かれるが、これはあまり良いことではない。