【コラム】韓国大改革の絶好の機会、大衆に迎合せず進めよ

 先週末、ソウル中心部で抗議集会に参加した中高生の発言がマスコミに紹介された。「私たちがヘル朝鮮(地獄のような韓国)をゴッド朝鮮(最高の韓国)にしていきます」。若者の間で「ゴッド(god)」は「最高」という意味の接頭辞だという。「最高の韓国」とは、まさに私たちが進むべき方向をこの上なく正確に表した言葉だ。

 今、私たちがすべきことは、国民の共感を得て最高の国を築くことだ。次の大統領選では、国のシステムをどう変えていくかが大きな争点となるべきだ。これを基に、次の政権は改革の計画を立て、実行に移さねばならない。

 しかし、警戒すべきことがある。今の雰囲気に便乗して全てをひっくり返そうとする極端な動きだ。抗議集会の人波の中に、かつての左翼政党・統合進歩党(解散)の勢力が登場した。大統領選の野党有力候補たちは、朴槿恵政権が行ったことを全て否定する姿勢を見せている。

 支持率トップの野党有力候補は「国家大掃除」を掲げる。「大掃除」という言葉に、フランス革命の断頭台のようなひやりとしたものを感じる。野党側の支持率2位の候補は、財閥解体論で打って出た。財閥は確かに正すべき部分が多いが、だからといって「解体」とは。これは扇動に近い。

 大統領の退陣が確実な状況となるなか、私たちは冷静になるべきだ。正すべきことは正し、守るべきことは守るという判断をきちんとせねばならない。

 何を正すべきか。権力が捜査機関を動員して企業を脅迫する後進的な統治構造、大統領の誤った指示に無条件で従う公務員の仕事ぶりを正すべきだ。集会に参加した高校生たちは、崔順実被告の娘が名門大学に不正入学したことに絡み「大学も『バック』で入る国は嫌だ」と叫んだ。カネと「バック」が通用する腐敗の連鎖を断ち切る必要がある。

朴正薫(パク・チョンフン)論説委員
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