違法賭博摘発
収賄疑惑の入管副局長2人が辞任。賄賂受け取りの元幹部は2人を行政監察院に告発
違法賭博関与や不法滞在などの疑いで逮捕された中国人1316人の釈放を巡り、賄賂計4800万ペソを受け取った疑惑が浮上している入国管理局のアルゴシノ、ロブレス両氏が16日夜、副局長辞任を表明した。また2人から200万ペソを受け取ったとされる国家警察元幹部は同日、2人を行政監察院に収賄容疑で告発した。
アルゴシノ、ロブレス両氏は15日、ドゥテルテ大統領に対し、正式に辞表を提出していた。2人は、辞任の理由として「贈賄容疑の証拠として行った行為が、報道機関などに汚職と報じられた」などと辞表に記した。
2人は中国人実業家から5800万ペソの受け取りを認めたが「捜査の一環」と弁明した一方で、うち1千万ペソを国家警察元幹部と入管職員に渡していた。元幹部はアルゴシノ、ロブレス両氏が当初、実際に渡された額の約3倍である1億5千万ペソを要求していたと明らかにし、2人を行政監察院に告発した。
一方2人は、盗聴防止法(共和国法4200号)違反や汚職容疑で、実業家と元幹部、入管職員、実業家の通訳の計5人をパラニャーケ地検に送検したと明らかにしていた。
ドゥテルテ大統領は外遊先のシンガポールで2人を罷免する旨を演説で明らかにしていたが、2人は大統領が比に帰国する前に辞表を提出した。
ルソン地方パンパンガ州アンヘレス市クラーク特別経済区で11月下旬、中国人1316人が違法賭博関与や不法滞在などの疑いで逮捕された。国家警察中部ルソン地域本部の発表によると、容疑者は旅行者としてフィリピンに入国、コールセンター業務を装いながら、実際はオンライン賭博に関与していたとされる。
ドゥテルテ政権は、違法薬物撲滅政策の後は、違法賭博の取り締まりを行うと表明している。(冨田すみれ子)