米国が「フェイク(ウソの)ニュース」に揺れている。虚言を繰り返したトランプ氏が勝利した米大統領選では、フェイクニュースがネット上にあふれ、大手メディアの情報を凌駕(りょうが)。デマがきっかけで発砲事件まで起きた。ネット空間に流れる情報の真偽を誰がどう判断するのか、難しい問題を突きつけられている。
首都ワシントン郊外のピザレストラン「コメット・ピンポン」で銃声が鳴り響いたのは今月4日午後3時ごろだった。ライフルを持った男が押し入り、何発かを発射した。客や従業員にけがはなかったが、米メディアによると、男は動機について「大統領選時にネットに広がったクリントン氏の話を確かめに来た」と話した。
同店の関係者が異変に気づいたのは大統領選の投開票日まで1週間を切った11月3日。ネット上のサイトなどに店の名前が投稿され、「皆殺しにしてやる」「もう終わりだ」などと脅迫めいた言葉が大量に投稿されていた。
発端は、内部告発サイト「ウィキリークス」が暴露した民主党のクリントン陣営の選対本部長ポデスタ氏のメールだった。同氏は兄弟でこの店の常連で、オーナーと「コメットのオーナーをシェフとして招き、パーティーをする」「店で寄付集めの集会をするから寄ってくれないか」などとメールをやり取りしていた。
これに対し、メールの文面にあ…
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