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ネタバレ感想『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』を算数の問題のように考えたら普遍的な愛についての考察に繋がっていた件

映画-感想

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みんさん!『ぼく明日/ぼくは明日昨日のきみとデートする』は絶対にカップルで見た方が良い映画ですよ!絶対!まじで!

人気の原作がコミカライズされ、さらに今回映画化までされた「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」が12月17日、全国公開されました。

『ぼく明日デート』なんていう企画で広告なんかも出たりしてて、カップル多いだろうなと思っていたのですが予想通り…というかそれ以上でした。昨日見た、ローグワンとは客層が違いすぎ。

まぁ、私は思いっきりぼっちで見ました。よりによって20分前に劇場に入ったので、息苦しいことこの上なかったです。1人で見に行った戦士が無事帰還していることを祈ります。笑

初めてタイトルを見た時は、こういうラノベ感あるタイトル好きじゃないんだよなと思っていました。ただ、見終わってみると、これ以上ないくらいしっくりきます。

そして、語りたい!何度も読み返したくなるめちゃくちゃ面白い設定の作品だったからです。

頭が固くて分かりにくかったという人なんかも、私の考え方ではありますが分かりやすいように説明していますので、理解の為の参考にしていただければと思います。

やや深読みや勝手な解釈の過ぎる気持ち悪いレビューですが、暇であれば覗いていってください!笑

カップルにとっては何度もループしてみるべき映画かもしれません。内容としては、失恋映画なんですけどね。

二人でいる時間を大切にしようと思えるそんな作品でした。私にそんなひとがいないことは、置いておいて…。

【作品情報】

福士蒼汰小松菜奈の初共演作品。

七月隆文氏の人気原作小説を『アオハライド』などを手がけてきた監督・三木孝浩がメガホンをとり映画化。

「このマンガがすごいweb」より大谷紀子の綺麗な絵によってコミカライズもされている。

これから先、映画本編のネタバレが含まれます。また、内容は批評や論評ではなく、感じたことを書き出しただけのものです。友人と見終わった後に「あーだこーだ」言いい合う時のような軽い気持ちで読んでいもらえると嬉しいです。なお、コメント大歓迎なので気になったことがあれば、是非コメントを残して言ってください!

ネタバレ感想

時系列は複雑なようで超シンプル!算数の問題のように考えるとわかりやすい

時間が真逆に進んでいるという斬新な設定を採用している今作。

時間を行ったりきたりするので複雑なようにも見えますが、実態は凄くシンプルだったように感じています。

まさに、『僕は明日、昨日の君とデートする』というタイトルの通りでした。

僕を中心に考るなら、今日1日を終えるとその思い出は、相手から消え去った状態で明日を迎えなければいけないません。

「分かってるよ!」と怒られそうですが、もうちょっと説明させてください。自分がその方が感想を書きやすいだけなんですけど。笑

算数の問題のように考えると非常にシンプルで、分かりやすいんです。

30日一緒に過ごす間、1日が終わる度に高寿君と愛美ちゃんでそれぞれ一個ずつ、思い出として石をバスケットに入れていくことを想像してください。

高寿君は青。愛美ちゃんはピンクとしましょう。

本来であれば、1日目には2個。二日目には4個。30日目には60個の思い出の石がそのバスケットには入っているはずです。

そして、二人の関係が成熟したものになるタイミング。キスしたり云々は、色々なステップを踏んで15:15、つまり15日目の30個分になった時とします。

どんなに日が経っても1:1の状態で2個づつ対になって増えていく。これが、普通のカップルの思い出の形です。

しかし、彼らの場合、出会った時には、既に30個の石がバスケットの中には入っている状態になっています。

時間が逆に流れているので、高寿にとっての1日目は、愛美にとっての30日目だからですね。

つまり、思い出の総量的には、出会ったその瞬間から成熟した恋人同士であるはずなんです。←これがポイント!

こう考えると、高寿が愛美に一目惚れしたという設定に明確な説明がつきます!本編では、明確に言われていませんが、このように算数のように考えると火を見るより明らかです。

思い出の総量が、成熟した恋人関係の数15日目と等しいからですね。

そして、これは現実世界での長年の恋に関する疑問に対する答えにもなります。

「一目惚れというは、本当にあるのか?」という問いです。笑

数々の血で血を洗う議論がされてきたテーマですが、ついに自分のなかで決着がつきました。

「相手が、逆方向の時間軸からきた人ならありえる!」

いや〜!スッキリしましたね。

今までは、一目惚れなんてありえない一派の代表を務めていましたが、これからはありえる派といして泥臭く戦っていこうと思います。

話が逸れまくったので、戻します。

出会った瞬間から、成熟した恋人同士と同じ総量の思い出を抱えている二人。

しかし、それは0:30というアンバランスな形であるため、愛美としては恋人としては振舞うことができません。(正確には、過去に命を助けられてるので0ではない。)

もし、愛美がいきなり30個分のお思い出があるものとして接してきても、高寿がそれを理解することはできないし「一目惚れだと思ってたのに変な人だった」で終わる可能性すらあります。

そうなると愛美からすると、今までの思い出すらなかったことになってしまいます。有名なタイムパラドックスっていうやつが、逆方向の時間軸を共有するときにも起こるようです。

高寿にとっては、出会いの瞬間。愛美にとっては、別れの瞬間。愛美は、今までの思い出を存在させるためにも30個分の気持ちを押し殺して接する必要が、絶対にあるわけです。

ノートに書かれているシナリオが必要な理由でもありますね。

だからこそ、同じシーンなのにもかかわらず、逆再生になって愛美の立場から描写されるときには胸が潰れる思いがしました。

恋人同士の関係で触れ合いたい。けど、それはできない。切ないです。

そして、1日目を終える時、僕の立場からすると最初の青い石を入れると同時に、対になるはずの相手のピンクの石はこぼれ落ちることになります。

一方、愛美からすると自分の思い出の石を入れると同時に、対になる最後の青い石がこぼれ落ちることになる。劇中の言葉では「自分にとっての初めては、相手にとっての最後」というやつですね。

これが、逆方向の時間を生きる二人に起こることです。

対になるはずの思い出の石が、同じバスケットに入ることはない。つまり、積み重ねたはずの思い出を共有することは絶対にできないわけです。

30個分の成熟した思い出を抱えた二人というあるべき関係性は、出会ったその日から最後の日まで変わることはありません。

ただ、その関係性が成立しないという期間が大半を占めるというのがこの映画です。

そこで、全てを知っている愛美からすると打ち明けるタイミングというのが重要になってくるわけです。

そして、そのタイミングというのは、ここしかないという場所があります。

二人にとって、バランス良く恋人の関係で居られる瞬間というのはどこでしょうか?

言わずもがなですが、15日目あたりですよね。ここで、初めて1:1という比率で普通の恋人関係になれるわけです。

申し訳ないのですが、正直これがきっちり15日目だったかは覚えていません。笑)一日くらいずれてたような気もしますが忘れちゃった…

ただ、必然的に中間地点くらいが恋人としての山場となります。普通の恋人同士である場合も15日目には、15+15で30個分ですからね。

普通のバランスのとれた恋人関係でいられる瞬間は、ここしかないんです。映画至上もっとも短いかもしれません。

映写機でキャンバスに映画を写して見る二人。見つめあう二人。はじめてキスをする二人。王道のラブロマンスがこれから始まるぞというシーンですね。

しかし、二人にとってはこれがバランスのとれた恋人関係である最初で最後のタイミングでした。

それをわかっているからこその愛美の涙。

ひたすらせつないですね。前半部分を振り返って初めて涙がでてくるという不思議な映画です。

ここからは、タイトルの通り見てくださいねということが示唆されます。映画のテイストがガラッと変わりました。確かここではじめてタイトルが表示されたんじゃないでしょうか。

いままでは、高寿視点だけ見ていると単なるリア充映画だったわけですが、愛美にとっては相手の思い出の数に応じて振る舞いを変えて行くというアンバランスな関係だったわけです。

映画を鑑賞している時には、ここではじめて涙の意味や「全部分かっていますよ!」という感じのリードっぷりが繋がるわけです。

私は、この時点で「ちょっと待って!巻き戻して見たいとこあるんだけど!」と心の中で叫んでいました。笑

そして、今度は高寿にそのバトンが回ってきました。

普通に恋人同士だと思っていた。これからも今の関係が続いて欲しい。

心からそう感じはじめた瞬間から、今度は自分が相手の思い出の数に応じて振る舞いを変えていかなくちゃいけない立場になってしまいます。

また、石を持ち出して言うと、高寿は二人で少しずつ積み重ねてきた石がやっと30個になったと、感じていたわけです。

これからも増えていくと思っていたその石は、それ以上になることがないと悟ります。

むしろ、これからは自分の青い石ばかりが溜まっていき、相手のピンクの石はどんどん失われていきます。

思い出30個分の恋人にとって一番良い状態の関係性は残したまま、減っていく相手の思い出の数に配慮した振る舞いをしなくちゃいけません。

初めての経験。これからも続けていきたいと思うことは、これから全部最後になってしまうわけですね。

何度言ったかわかりませんが、せつな過ぎます。なんとかしてあげてください。笑

ただ、こっからの展開に関しては、少し物申したい!

愛美は、15日目を境に高寿のために相手の思い出の数に応じた振る舞いを自分を押し殺してしてきたわけです。

だからこそ、二人の関係は成熟していき15日目には結ばれることができました。

なら、ここからの高寿は二人が結ばれるような振る舞いをするべきです。じゃないと15日目を迎えるのが厳しくなります。

愛美のように、リードしてぐんぐん距離が縮まるようないい男になっていく必要があります。

しかし、高寿の振る舞いは苦悩が多すぎたように感じました。もちろん、かっこいい部分もありましたが、あまり印象に残っていません。(一応、変わったことが指摘されてるんでしけど。)

愛美からするとスタート地点からして、苦悩しまくりだとあまりそこから感情移入していくことが難しくなるんじゃないかと思いました。

家族に会いに行った帰りなんか特にそうですね。

本来、こういうところで高寿の人となりを知って、ますます惹かれるような振る舞いじゃなきゃいけないわけですけど、帰りのバスで泣いちゃいましたよね。

愛美にとっては、会って二日目時点の話だったと思います。

運命を感じるような素敵な人であっても、会って二日目に苦悩からくるマジ泣きを見せられたら引くんじゃないかと感じてしました。まあ、そういう苦悩もあらかじめ知っていることではあったんですけど。

これは、どうなんでしょう?

高寿は別れが近づくにつれて、そういった部分を隠していくべきだったんじゃないかと私は思います。

いや、15日目に向かうにつれて苦悩していくほうがまずいのかな。。。ちょっと書きながら考えているので頭がこんがらがってきました。笑

単純だと言っときながら、混乱し始めるという失態。失礼しました。

とにかく後半を見て「愛美は頑張ってたんだから、高寿も頑張れや!」とツッコミをいれたくなったということですね。

愛美ばっかり負担が大きくて、高寿はきっちりやり切れてなかったのが気になったとういお話しでした!

やっぱり、考えながら何度も振り返ったりして、色んなことに気付く度に泣けてくる…そういう映画なんだと思います。

この映画の中で普遍的な恋愛が生まれている件

恋人同士は、本来思い出を積み重ねていくものですが、この映画ではそれができません。

その代わり、二人にとっての思い出の総量は、出会ってから別れるまで、そして別れた後も変わることがないわけです。

現実には、30個分の時を一番良い瞬間とするなら、そこから先には悪い思い出も加わっていくのが普通です。

100日目のカップルのバスケットを覗いてみると200個の石のなかには、ゴミが混ざっていることもあり得ます。

10年目に至っては、ゴミしか入っていないように見えるかもしれません。

しかし、この映画にでてくる二人のバスケットには宝石のような石がたくさん残っています。

当然、後からゴミが入ってくる余地は一切ありません。

そして、これもまた現実の恋愛に関する疑問に答えてくれることになります。

「普遍的な愛は、存在するのか?」という問いです。笑

答えは当然、「相手が逆方向の時間軸からきた人ならありえる!」ということになりますね。笑

ただ、単に空想のお話しに止めておくにはもったいないことも実感しました。

例えば、自分に恋人がいるとして、明日も今日と同じように好きでいてくれるとは限りません。

それを当然と思い始めるところから、バスケットのなかにゴミが溜まりはじめるようにも思えます。

「どうせ今の関係性が続くんだから」と思って、色んなやるべきことをサボり始めてしまうというのは現実にたくさん起きているんじゃないでしょうか。

二人の場合は、時間という不可抗力の前にどうすることもできませんでした。ただ、現実はありがたいことに今の関係性が続くかどうかは、お互いの今日の振る舞い次第であることが多いように思います。

だからこそ、この映画をカップルで見ることでゴミの溜まらない関係性を築く手助けになるんじゃないかと、私は感じました。

まとめ

劇場では途中すすり泣く声もかなり聞こえてきていました。

私はというと、泣けたのは逆再生での回想シーンですね。愛美サイドから見た展開の方が、何倍も心にグッとくるものがありました。

自分にとっては最後でも、これからの相手の為に素敵な自分でいようという気持ちが伝わってきたからかもしれません。

そして、逆再生のところからまた高寿サイドで映画を見たくなってしまいます。

ループものでは、ループから抜け出すことがテーマになります。ただ、この映画では、時間がループしているわけではないけど、ループにはまっていたくなるような不思議な作品でした。

私は、漫画も好きなのでまずは、コミック版を読んでみたいと思っています。さくっと読めるし、何回でも思う存分ループできますしね。笑