【ワシントン=川合智之】オバマ米大統領は16日、休暇前の定例記者会見で、米国が大統領選中に受けたサイバー攻撃について「ロシアに責任がある。プーチン大統領が知らないまま重大事案が実行されることはない」と述べた。ロシアによる攻撃と断定したうえで、プーチン氏が一連の攻撃を直接指示したとの見方を示した。
根拠は「情報機関の分析だ」とした。さらに今年9月、中国で開かれた20カ国・地域(G20)首脳会議でプーチン氏に直接「中止しろ。深刻な結果を伴う」と報復措置を警告したことも明らかにした。その後は「大統領選へのさらなる干渉はなかった」という。
今回の大統領選では民主党陣営のパソコンが攻撃され、幹部のメールが告発サイト「ウィキリークス」に流出。同党候補だったクリントン氏に不利に働いたとされる。
オバマ氏は来年1月の退任を前に残された時間は少ない。「我々の目標はロシアに『こうしたことをするな』という明確なメッセージを送り続けることだ」と強調した。