アジア発米国向けの海上コンテナ輸送量が伸びている。日本海事センター(東京・千代田)が16日発表した11月の輸送実績は、20フィートコンテナ換算で133万8158個と前年を8.6%上回り、11月の実績として過去最高となった。底堅い消費を背景に雑貨類の輸送が増えた。中国の旧正月(春節)休み前の輸送前倒しの影響を指摘する声もある。
1~11月累計でも前年同期比3%増の1430万個と年間でみても過去最高ペース。品目別では家具や建築用具類が5.5%増えたほか、テレビやビデオなどの映像・音響製品が4.8%増だった。タイヤや自動車部品も堅調だった。
2017年の中国の春節休みは2月だった今年より開始が1月下旬に早まり「休み前に輸送を済ませようとする動きが出ている」(海運会社)。輸送スペースも夏までの供給過剰感は後退。韓進海運の経営破綻もあり、同航路のスポット(随時取引)市場の運賃は昨年同時期を上回っている。
10月のアジア発欧州向け航路のコンテナ輸送量は、20フィート換算で116万9107個と前年同月を0.9%下回った。フランスやトルコ向けなどの荷動きが振るわず、5カ月ぶりの前年割れ。