死刑制度について考えるシンポジウム

死刑制度について考えるシンポジウム
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死刑制度について考えるシンポジウムが開かれ、娘を殺害された母親が「遺族にとって加害者が生きていること自体が苦痛で、命をもって償ってほしい」と述べ、制度の存続を求めました。
このシンポジウムは、日弁連=日本弁護士連合会がことし10月に、「2020年までに死刑制度の廃止を目指す」という宣言を採択したことを受けて、犯罪被害者を支援する弁護士のグループが開きました。

東京・千代田区の会場ではパネルディスカッションが行われ、携帯電話の闇サイトを通じて知り合った3人の男に当時31歳の娘を殺害された名古屋市の磯谷富美子さんが「遺族は加害者に生きて償ってほしいとは思っていない。加害者が生きていること自体が苦痛で、命をもって償ってほしい」と訴え、死刑制度の存続を求めました。

一方、日弁連の死刑廃止検討委員会の事務局長を務める小川原優之弁護士は「被害者には手厚い支援が必要な一方で、人権を尊重する民主主義社会において、国家が命を奪う刑罰制度を残していいのか」と述べ、制度の廃止を目指す考えを示しました。

死刑制度をめぐっては、世界では廃止の動きが広がる一方で、国内の世論調査では存続を容認する意見が多数を占めています。