News Up わずか数ミリの悩み?いまどき駐輪事情

News Up わずか数ミリの悩み?いまどき駐輪事情
街なかでも見かける機会が多くなってきた電動アシスト自転車。
その名のとおり、電気の力を借りて、すいすい坂道を登ることができ、長い距離も疲れずに走ることができます。前にも後にも子どもを乗せることができるタイプのものもあり、若い子育て世代にも人気です。ところが、この電動アシスト自転車で、ある悩みを抱えている利用者もいるんです。わずか数ミリをめぐる悩みです。
なんと言っても、楽に乗れる電動アシスト自転車。
一般社団法人の自転車産業振興協会の調査によりますと、国内の生産台数は急速に伸びていて、平成18年には23万6494台だったのが、去年(平成27年)には倍近い46万4800台まで増えています。
背景には、高齢者や子育て世代の親たちの利用が増えているのに加え、荷物の集配などの業務用としても、電動アシスト自転車を活用するなど、ビジネスの活用も広がっていることが理由にあります。

急増する電動アシスト自転車

なんと言っても、楽に乗れる電動アシスト自転車。
一般社団法人の自転車産業振興協会の調査によりますと、国内の生産台数は急速に伸びていて、平成18年には23万6494台だったのが、去年(平成27年)には倍近い46万4800台まで増えています。
背景には、高齢者や子育て世代の親たちの利用が増えているのに加え、荷物の集配などの業務用としても、電動アシスト自転車を活用するなど、ビジネスの活用も広がっていることが理由にあります。

利用者を悩ませるのは?

利用が広がる電動アシスト自転車ですが、あることが利用者を悩ませています。
首都圏のあるマンションでは、自転車のタイヤを溝のようになった部分に入れて固定するラック式の駐輪場が空いているのに、平置きの駐輪場は、いっぱいになっている光景が見られました。
なぜ?ラック式の駐輪場が使われないのでしょうか?
実は、電動アシスト自転車のタイヤには、普通のものよりも幅が太いものがあり、ラック式の駐輪場では、タイヤを固定する溝に収まりきらないためです。
このマンションでは、バイク置き場に空きがあったため、その場所を電動アシスト自転車の置き場にしました。しかし、スペースにかぎりがあるため、太いタイヤを無理に溝に押し込んで止めている電動アシスト自転車も見られます。
インターネット上でも「マンションの駐輪場が溝に車輪をはめるタイプで苦労した」「電動自転車を購入しましたが、自転車のタイヤが太すぎてラックに入りません。どうしよう。バイク置き場もいっぱい」などと、電動アシスト自転車の駐輪で悩んでいる人の書き込みが見られました。

わずか数ミリが悩みの種

具体的に、電動自転車のタイヤの幅はどれくらいあるのでしょうか?
電動アシスト自転車を製造している複数のメーカー聞いたところ、50ミリ前後のものが多く、最も太いものは約54ミリでした。
この太さで、バッテリーやモーターなどで重くなった車体を支えています。

これに対して、一般の自転車はというと、駐輪場整備を行っている団体に聞いたところ、タイヤの直径によっても違いますが、約33ミリや約45ミリのものが多いと言うことで、これに合わせて、駐輪場のラックの溝の幅は、40ミリ台のものが多く、広いものでも50ミリ程度だということです。
このため、溝に入りきらずに駐輪できないという事態が起きてしまうのです。

こうした中、最近では、電動アシスト自転車の駐輪に対応するため、ラックの幅が55ミリや56ミリといった大きめのものが出始めているということです。
駐輪できるか?できないか?
そこには、わずかな数ミリ単位ですが、大きな壁があるのです。

タイヤの幅を確認しましょう

溝の幅の大きなラックが出始めたとは言っても、マンションや駅の駐輪場などでは、コストや時間がかかるため、すぐに対応するのは難しいのが現状です。
特にマンションでは、管理組合での話し合いが必要で、管理組合の理事会などが開かれるのは、多いマンションでも月に1回、あるいは2か月に1回程度のため、改修に向けた話もなかなか進みません。

また、ラックの幅が大きいものばかりにすると、タイヤの幅が狭い一般の自転車をしっかりと固定してすることが難しくなります。
そのためにも、各メーカーや自転車の販売店などでも、マンションの駐輪場や、ふだん行くスーパーや駅などの駐輪場について、平置きができるのか、ラック式の場合は、溝の幅はどれぐらいなのか、しっかり調べたうえで購入してほしいとしています。

自転車のタイヤのほとんどにはサイズが記載されていて、それを基にタイヤの幅がどれぐらいなのか、自転車を生産するメーカーのホームページや販売店などで確認できます。
しかし、タイヤ表面の溝や切り込み、タイヤの空気圧などによっても微妙に幅が変わる可能性もあります。

子どもの送り迎えのためにと、電動アシスト自転車の購入を検討している人も多いと思います。決して安い買い物ではないだけに、買ってはみたものの、駐輪できないということがないよう、しっかりと情報収集をしたうえで、ライフスタイルや生活圏に合った自転車を探すことが大切です。