JR町田駅で試験導入される新型のホームドア=JR町田駅で2016年12月16日午前3時7分、森健太郎撮影
JR東日本は、駅ホームでの転落事故を防ぐため、従来よりも低コストで導入できる新型のホームドアを開発した。各社の試行錯誤が続く中、17日の始発からJR横浜線の町田駅(東京都町田市)で、新型の試験運用を始める。
町田駅に設置されたのは、同社のグループ会社が開発した「スマートホームドア」。4番線下りホームに1両分のみ試験的に導入した。ドア部分にアルミ製のバーを採用した簡素な作りが特徴。普段は閉じているバーが、電車の乗降時は左右にスライドし、支柱部分に収納される。16日未明には、実際に車両を入線させて初の動作確認作業を実施し、報道陣に公開した。
JR東日本管内では八高線の拝島駅(昭島市)で昨年3月から、乗降口のバーが、左右ではなく上下するタイプの新型ドアが試験運用されている。いずれのタイプも、既に山手線などに設置されている「鉄の扉」のような従来型と同程度の強度を保ちながら、軽量化を図っている。設備の重みに耐えられるようホームを大規模に改修する必要がなく、工期短縮が可能という。町田駅の新型の場合、3割ほど軽量化され、設備本体の費用を従来の約半分に抑えた。
同社によると、町田駅の1日当たり平均乗車人員は約11万2000人(2015年度)で、国がホームドアの整備対象駅としている1日当たり乗降客数10万人以上の利用がある。同社は来夏までに、4番線下りホーム全体にホームドアの設置を完了させる予定だ。広報担当者は「普及を加速し、さらなる利用者の安全・安心につなげたい」としている。【森健太郎】