全日本プロレス暮れの祭典「世界最強タッグ決定リーグ戦」は11日の大阪大会でBブロック公式戦が行われ、大森隆男(47)、征矢学(31=W―1)の「GET WILD」が無傷の4連勝で優勝決定戦(18日、後楽園)進出に王手をかけた。大森はプロレスラーになるきっかけとなった天龍源一郎(66)、スタン・ハンセン(67)組と同じ全勝優勝(1989年)の快挙も視野に入れ始めた。
ここまで3連勝中のワイルド軍はこの日の公式戦で、同じく3戦全勝の勝ち点6で首位に並ぶ秋山準(47)、ケンドー・カシン(48)組と激突。ともにパートナーへの不信感を持ったままの両チームだが、この日のワイルド軍はチームワークが抜群だった。
カシンがちょっかいを出してきても動じず、連係技を繰り出す。15分過ぎには大森の斧爆弾が秋山に命中すると、W―1埼玉・川口大会とのダブルヘッダーになった征矢もワイルドボンバーで畳み掛ける。最後はスライディング斧爆弾で大森が秋山から3カウントを奪取。11月27日両国大会で敗れた借りを返した。
「最初は組むのが嫌だったけど、今日はうれしいよ大森さん」と涙を浮かべる征矢に、大森は「残り試合、気を抜かずにいこうぜ」と応じた。スーパー・タイガー、佐藤光留組との公式戦最終試合(14日、豊橋)に勝てば、全勝優勝も射程圏に入る。
最強タッグ戦歴代チームで全勝優勝を飾ったのは1989年の天龍、ハンセン組の「龍艦砲」と、2005年のチーム3D(ババレイ、ディーボン)しかいない。92年10月にデビューした大森にとって、天龍とハンセンは大きな影響を与えてくれた特別な存在だ。龍艦砲が結成される直前の89年3月、城西大学アメリカンフットボール部員だった大森は全日プロ後楽園大会を観戦に訪れ、2人の一騎打ちに心を打たれたという。
「ものすごい試合でした。プロレスが大好きだった当時、将来の選択を迫られて(自分の心が)揺れ動いている時期だったので…」と大森は振り返る。龍艦砲の激突を見たことでプロレス入りを決意した。だからこそ全勝優勝で憧れのレジェンドコンビに並びたいという思いは強い。「もちろん目標は優勝です!」と語気を強めた斧戦士。
11年ぶりの快挙達成へ一直線だ。
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