yasuokaの日記: PC WatchにおけるタイプライターとQWERTY配列
『「ECONOトリビア」QWERTY記事顚末記』の読者から、山田祥平の『スペースインベーダー襲来』(PC Watch、2016年12月16日)という記事を読んでみてほしい、との御連絡をいただいた。読んでみたのだが、TAITOのスペースインベーダーとは何の関係もなく、QWERTY配列に関するガセネタが無造作に書かれていた。
そもそもキーボードはタイプライターの時代からアームが絡まないようにということでQWERTY配列が決まったわけで、その不自然な配列に人間は自分で慣れるしかなかった過去がある。
『キーボード配列 QWERTYの謎』(NTT出版、2008年3月)にも書いたが、現在のQWERTY配列が現れた1882年時点でのタイプライターは、いわゆるアップストライク式であり、「アーム」などという機構を有しない。「アーム」を有するフロントストライク式タイプライターは、「Daugherty Visible」(1893年発売)が最初である。「アームが絡まないようにということでQWERTY配列が決まった」などというのは、時間的な前後関係が矛盾しており、全くのガセネタだ。
「スペースキーは長い方が打ちやすい」、「もともと長いスペースキーは多少短くてもいいから、ほかの機能キーを使いやすいサイズにする」。とりあえずいろいろな論理はある。メーカーごとに一貫したポリシーがあるなら、そのメーカーの製品しか使わないという逃げ道もあるだろう。でも、機種によって違うというのはちょっと困る。
「スペースキー」の話をするのに、なぜQWERTY配列に関するガセネタを披露しなければならないのか、全く理解できない。そもそも、タイプライターの時代においても、「Caligraph No.2」にしろ、「Williams No.1」にしろ、機種によって異なる形状の「スペースキー」が搭載されているのが当たり前だった。つまり「スペースキー」に関しては、すでに130年以上そういう状態が続いているのだが、さてそれが、QWERTY配列に関するガセネタと何の関係があるんだろう?
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